医局日記

(短期集中企画⑦)2020五島つばきマラソン(後編)

私の投稿枠は毎週土曜なので、今年度中に割り当てられた枠はあと4回です。

現管理人の先生も3月で異動になるので、あと4回の中で何としても「前編」で止まっている記事を完結させないと。

過去の記事を見てみたら、前編で終わっているのは「2020五島つばきマラソン」と「言葉の選び方」の2つです。

あと1つ2つあると思ってたので意外と少なかったです(笑)

このうち、言葉の選び方については本は買ったけどまだ読んでません。なので今回はマラソン大会の後編を行きましょう。


…と思って5日の夜に一度書き上げ、管理人の先生に「明日アップお願いいします」とお願いし、次の日に確認したら、なんと上の数行しか載っていません。

なぜー!っと思って考えてみると、上書き更新をうあっていなかったんですね。

仕方ないので、今日(9日)に6日にアップする予定だった記事を載せます。当然?完全に同じ文章は無理ですが、なるべく5日に書いた文章に忠実にしたつもりです(苦笑)

さて、気を取り直して後編行きましょう。


五島つばきマラソンは高低差が激しいコースとして有名です。

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上がさが桜マラソン、下が五島つばきマラソンの高低図です。違いは一目瞭然。


五島つばきマラソンはフルマラソンとハーフマラソンがあり、この日私はハーフに出ました。ハーフのコースはフルのコースの後半部分です。

前半のような強烈な高さはないですが、上り下りが何回も繰り返されるという点では後半の方が厳しいかもしれないですね。


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今回は初めて1人でレースに参加しましたが隣の人とこんな感じに写真を撮り合いました。

今思えば、この週末(昨年の2月20日頃)はまだこうした余裕があったギリギリのところだったと思います。次の週末にはマスクがない!ティッシュがない!と騒動になってましたからね。

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スタート前。まだ三密という言葉が出る前だったので、普段のマラソン大会と同じ雰囲気でした。いつもそうですが各地のマラソン大会での記念品のシャツをよく目にします。

さて、この日はこれ以上ないというくらいに快晴でした。本土ではめったに味わえない景色の続出で、つい途中で足を止めて写真をパシャパシャと。

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いつも制限時間ギリギリになる私はこのような余裕は本来ないのですが、この大会は制限時間が5時間でした。21㎞を5時間なら全部歩いてでも完走できます(爆)けど、さが桜マラソン(中止になったけど)の予行演習と考えていたので、行けるところまでは走ろうと思ってました。

10回くらい上り下りが繰り返されるコースはやはりきつく、前月の伊万里ハーフと同じく18㎞くらいで歩いてしまいました。ただ伊万里の時と比べるとゴールの時点では表情にはまだ余裕があったと思います(笑)時間もそんなに変わらなかったし。

さて、この大会で一番の思い出は、完走後のおもてなしでした(笑)

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伊万里の時はゴールした時にはほとんど何も残ってないという悲しい事態になりましたが(まあ制限時間3分前にゴールする私が悪いのですが(苦笑))、この日は五島うどん、唐揚げカレー、近大マグロの刺身…。

それなりにカロリーは消費したはずですが、結局それ以上のカロリーを取ったと思われます(爆)

コースはきついですが景色と食事は申し分なく、来年(つまり今年)はフルに出ようと決心して五島を後にしたのですが、以前の日記でも書いたように今年の大会はいったん長崎県民限定での開催が発表された後で中止になってしまいました。

ワクチンが一通り出回るであろう、今年の秋以降のシーズンには期待したいところです。


さて、短期集中企画と名打ちながら、結局足掛け3年に及んだ私のマラソン大会に出場した日記も、今回でいったん最終回とします。

今後はレースに出場したたびに、その時の記事を適宜アップ出来たらなと思ってます。

【精神医学】~精神の発達① 乳児から学童期まで~


金原出版 現代臨床精神医学 第12版
ISBN:978-4-307-15067-5

第3章 精神の発達・加齢と精神保健 より



精神の発達

人の成長は小児科領域における基礎知識。精神科では特に「精神面」の発達を重視しています。
キーワードを中心に簡潔に解説。ヒトの発達段階についてはピアジェエリクソンフロイト、の3人の先生がそれぞれの見地から解説していますが、ここではエリクソン先生の解釈で統一。



乳児期(0~1歳)
自分では何もできないから助けを求め、親がそれに応えてくれる。愛着(Attachment)の形成が大切な時期。

エントレインメント(Entrainment)
…母親に抱かれる、授乳されるうち、赤ちゃんの方も母親を認識して目を合わせたり、母親の声や臭いを識別できるようになってくる。

基本的信頼感
…赤ちゃん側の欲求が満たされていくうちに、生理的な満足だけでなく精神的な安らぎも感じるようになる。与えてくれる親、与えられたものを受け入れる自分自身も含め、信頼関係が養われていく。

「3ヶ月微笑」
…生後3ヶ月目、周囲を目で追いかけ、微笑むと微笑み返してくれる。親だけでなく、誰でも。

選択的微笑」(LITALICO発達ナビより)
…生後5~6ヶ月頃になると、誰に対しても微笑むわけではなくなってくる。

「8ヶ月不安」
…この頃から人見知りがはっきりしてくる。自分を助けてくれない人には不信感が芽生える。



幼児前期(1~3歳)

1歳…ひとり立ち、片言を話す。1歳半…ひとり歩き、トイレが自立してくる。2歳…2~3語文を話す。

離乳し、自律性の獲得の時期。恥の感情が芽生える。「しつけ」が重要とされる。親に要求してばかりではなく、親が喜ぶよう自分の欲求をがまんすることが出来るようになっていく。しつけが出来ないと我慢強さが形成されないが、しつけが厳し過ぎても自信喪失してしまい自律性が育たない。



幼児後期(4~6歳)

3歳…自分の名前、性別が言える。身の回りの物の命名ができる。4歳…数をかぞえ、図形を模写できる。

第1反抗期…自我が芽生え、両親に反抗して自己主張する。
家庭の外で他の子供と接触し、社会性が育っていく。「ごっこ遊び」など、大人の言葉や行動を真似るようになる。

「積極性の時期」…人物、物事を認識し、価値観が生じる。過去、未来、結果などの概念をもつ。目標を攻撃・征服しようとするのが中心となる。



学童期(6~12歳)

勤勉の段階」…物事の成就、成功への希求が、この時期の特徴。失敗が重なると劣等感に繋がる。

言語、知能は発達し、親や家庭から独立し学校という集団で生活できるようになる。

自分、他人、男女の性別意識がはっきりしてくる。遊びもゲーム、スポーツなど共同で楽しむ、競うものが多くなり、勝ち負け、自分の能力、性格などが自覚されてくる。

この時期、親や家庭を離れ他人との共同生活に適応できないと「いじめ」「不登校」などが生じる場合がある。

小学校高学年になると、成人と同じような精神疾患も出現しはじめる。


まとめ

精神科において「成育歴」は大事な情報。予診を担当する学生さん達にも必ず聴取してもらっています。正しい診断に繋げるために「母子手帳」「学校の通知表」を保管しておくことを推奨。発達のどこかで躓きがあった等、背景が分かれば適切な支援、治療に結びつきやすくなります。

思春期、成人期、老年期については後日解説。勉強がんばるぞ

以上。

【精神症候学】~防衛機制~

防衛機制

受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズム。精神分析学で知られるフロイト先生が考えた概念であり、その後も研究が続いて現在に至る。

まず代表的なものを紹介。中学校の保健体育とかで習ったかも。


抑圧 不安や欲求不満を無意識に封じ込めて忘れてしまおうとする。



退行 幼児期や年少期の行動・考えに戻ってしまう。



合理化 満たされない欲求に対して、もっともらしい理由をつけて自分を納得させる。



昇華 社会的に認められない欲求を社会的・文化的に認められる良い方向へのエネルギーに置き換える。


(・ω・)こんな感じで「防衛機制の一覧、まとめ」記事を書こうとしたのですが…
(・ω・)めっちゃ種類が多いことに気付いた。やべぇ全部は無理だ

というわけで、精神科の臨床において重要なもの等を中心に、部分的に紹介します。


4つの分類(ジョージ・E・ヴァイラントによる)

ハーバード大学医学部の教授らしい。この先生が「防衛機制は4つに分類できるぞ」と提唱した。



レベル1 精神病的防衛

最も原始的な防衛機制。5歳以下の子供で多くみられる。

転換:解離性障害の症状。ストレスにより、麻痺したり言葉が出なくなるなど。

否認:心を閉ざし、現実を無かったことにしようとする。「怪我なんてしてない!病院行きたくない!」

躁的防衛:不安を打ち消すために、逆に活動的になる。「恋人にフラれた…気にしない!次いこう次!」

分裂(スプリッティング):境界性パーソナリティ障害にみられる。他者・自分の良いイメージ・悪いイメージを分けて捉えようとする。



レベル2 未熟な防衛

15歳までの子供にみられる防衛機制。自分を守るためだが、人間関係や社会生活に悪影響が及んでしまう。

退行:冒頭で紹介したやつ。「失敗したぁームギャー!おうち帰る!」

行動化:抑圧された衝動や葛藤が問題行動に。「盗んだバイクで走りだし自由になれた気がした」

投影:自分の気持ちではなく、他人のものだと思い込む。「私はどうも思ってない。あの人が私を避けているんです」

取り入れ:投影の逆で、他者を真似する。「いつやるの?今でしょ!」



レベル3 神経症的防衛

悪影響は少ない、普通の成人でも良く見られる防衛機制。ただし重度になれば話は別。

合理化:冒頭で紹介したやつ。「おやつ食べられなかったけど、ダイエットになったから良いのだ」

抑圧:冒頭で紹介したやつ。否認と違い、思い出すことは可能。「そういえば若い頃、ミュージシャンを目指してたんだ俺は…」

逃避:いわゆる現実逃避。「テスト勉強しなきゃいけないのに、部屋の片づけを始めてしまった」

反動形成:ストレスに対抗するため反対の行動に走る。「あの人のことが大嫌いなハズなのに、優しくしちゃう」

知性化:理詰めで考えて感情を切り離そうとする。「納得がいくまで説明してもらいますぞ」

隔離:強迫性障害でみられる。確認行為や強迫観念で、本来の不安・不満を切り離そうとする。



レベル4 成熟した防衛

これまでの3つと違い、無意識ではなく意識的に行われる。精神的な健康を保ちながら人間関係・社会生活をより良いものに変えていく原動力となる。

昇華:冒頭で紹介したやつ。「世の中への不満を原動力に小説を書いてみた」

同一視:他人の良いところを取り入れつつ自分自身も高めていく。「自分の夢を、子供が実現してくれたのを誇りに思います」

補償:他のことで成果をだして埋め合わせる。「プライベートでうまくいってない分、仕事に打ち込むぞ」


まとめ、考察

人は誰でも何かしら不満を抱えて生きているもの。誰かが、もしくは自分自身が、傍目から見ると理不尽な言動で周りを困らせている…それは防衛機制なのかもしれません。今まさに、大きな不安や不満で追い詰められているサインなのです。

不安や不満に気付き、一緒に解決し、時には成熟した防衛機制を目指していきましょう。

以上。


※参考資料サイト

防衛機制(Wikipedia)

脳科学自転 防衛機制

ジョブデポ ナースのヒント 防衛機制と看護|基礎知識や11種類と具体例、看護の流れやポイント 2020.11.16

医療法人平成医会 コラム 苦手な人の心理と防衛機制 2021.01.25

Direct Communication 心理コラム 防衛機制の意味とは?種類と具体例・覚え方を解説

【教授の音楽療法】~歌うギタリスト~

【昨日のお昼休み】
(・ω・)そういえば教授、音楽療法の新作ネタとかありませんか?
(`・ω・)「ん?あるよー。今週中に送りますね」
(・ω・)ありがとうございます!

【その夜】
(・ω・)教授からのメールだ
(`・ω・)「お待たせしました新作です」
Σ(・ω・)速い!

(`・ω・)「エレアコギターの綺麗な音色と、素敵な歌声とあわせもつギタリストを紹介します!」


~歌うギタリスト~ ジョージ・ベンソン


UNIVERSAL MUSIC JAPAN ジョージ・ベンソン / GEORGE BENSON

1970年後半~90年代に一世を風靡したジョージ・ベンソンは、元々は正統派のジャズギタリストでしたが、1976年に発表した名盤「Breezin‘」の大ヒットを皮切りに、「歌うジャズギタリスト」としての名声を不動のものにしました。70歳台後半となった現在もコンスタントに作品を発表し、華麗なギターテクとともに渋い歌声を披露しています。ジョージ・ベンソンの名前を聞いたことがなくても、彼の奏でるメロディーは「いつか、どこかで聞いたことのある」evergreenとして、ずっと残るでしょう。彼の代表曲の動画をいくつか紹介します。


<華麗なギターテク編>



George Benson – Breezin’ (1976).wmv

「Breezin‘」のタイトル曲、まさにそよ風のように涼しげなメロディーです。



George Benson – “Affirmation” (live at North Sea Jazz 2008)

「Breezin‘」から、ベンソンバンドとのエネルギッシュな演奏です。



George Benson – Weekend in LA (Live Montreux 1986)

同名のライブアルバムから、全盛期のパワフルな演奏です。



George Benson – Being With You – 1983

まさに「甘い」としか形容しようのない名曲、どこか夏のバカンス先で聞きたいですね。



Don’t Know Why – George Benson (Transcription)

ノラ・ジョーンズの名曲、さりげなく聞かせます。


<渋い歌声を聞かせます編>


This Masquerade – George Benson ( lyrics )

「Breezin‘」から、Leon Russel作の名曲。ギターとスキャットの掛け合いで聞かせます。



Aretha Franklin & George Benson – Love All The Hurt Away

ソウルの女王、アレサ・フランクリンとのデユエット。女王に負けてないですね。



George Benson – Nothing’s Gonna Change My Love For You • TopPop

ギターは手にしてません。知らない人から見ればただの歌手にしか見えないですね。



George Benson – The Greatest Love of All


Whitney Houston – Greatest Love Of All (Official Video)

元々は彼が歌い、のちホイットニー・ヒューストンが大ヒットさせています。
映画「モハメド・アリ The Greatest」の主題歌でもあります。

歌詞はこんな感じです。


子供たち、それは私たちの未来としっかりと言い聞かせて、それぞれの道を歩かせよう
誰もが内に秘めている素晴らしさに気づかせて生きやすくなるよう、
自分を大切にすることを教えよう 子供の笑い声を聞きながら、私たちの幼い頃を思い出そう
ヒーローの登場を、みんな願っている いつも誰かに憧れていたいからだけど、
そう思える人に私は出会えなかった、さびしいことに
だから自分を信じよう、って思うことにした
ずっと前に決めた。誰かにおもねるのはやめよう、って
うまくいこうと、いくまいと、とにかく信じたとおりに生きるの
奪いたければ奪えばいい。私が私であるプライドは奪えない!
だって、何よりも尊い愛が私の内側からあふれているから
すべてを越える愛は、私の中にあった
すべてを受け入れる愛に、誰だって気づける
自分を愛してみて!それが、何よりも大きな愛
それでもいつか、やっと手に入れたかけがえのない暮らしの中で、ふとさびしさにとらわれても
何があっても乗り切れた愛を、思い出して!

*世の中に才能のある人はいるものですね。


※追記


洋楽データベース リンダ・クリード
(Linda Creed)

米国ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれ。ソングライター、バック・ヴォーカリストとして活動。
Greatest love of allの作詞者リンダ・クリードは20代半ばで乳がんとなり、その時にこの詩を作っています。彼女は約10年間の闘病の後に亡くなっていますが、ホイットニー・ヒューストンがこの曲を全米No.1ヒットにする直前だったそうです。


【教授の音楽療法シリーズ バックナンバー】
【教授の音楽療法】第1回 ~深紫伝説、湖上の煙~
2020.06.18
【教授の音楽療法】第2回 ~Rocket Man~ 2020.06.19
【教授の音楽療法】第3回 ~POLICE~ 2020.07.07
【教授の音楽療法】第4回 ~生まれは”猫年”~ 2020.07.16
【教授の音楽療法】第5回 ~イパネマの娘~ 2020.07.23
【教授の音楽療法】第6回 ~二人のロックレジェンドに愛された女~ 2020.08.06
【教授の音楽療法】第7回 ~(続)二人のロックレジェンドに愛された女~ 2020.08.18
【教授の音楽療法】第8回 ~ダメ、ゼッタイ!~ 2020.08.25
【教授の音楽療法】第9回 ~天は二物を与えることもある~ 2020.09.01
【教授の音楽療法】第10回 ~今度は真面目に映画音楽紹介?~ 2020.09.03
【教授の音楽療法】第11回 ~白日夢 daydream~ 2020.09.15
【教授の音楽療法】第12回 ~Torch Songs~ 2020.09.29
【教授の音楽療法】第13回 ~巨星墜つ!!~ 2020.10.08
【教授の音楽療法】第14回 ~相関研究と経時的研究~ 2020.10.15
【教授の音楽療法】第15回 ~お洒落な感じと言えば、、~ 2020.10.29
【教授の音楽療法】第16回 ~人生の応援歌1~ 2020.11.17
【教授の音楽療法】第17回 ~人生の応援歌2、邦楽編~ 2020.11.29
【教授の音楽療法】第18回 ~人生の応援歌3~ 2020.12.20
【教授の音楽療法】第19回 ~名画の中の洋楽~ 2021.01.17

【精神医学】~解離性障害について~


解離性障害

※参考資料
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 解離性障害
I
CD-10(WHO)による診断基準など

解離性障害は、自分が自分であるという感覚が失われている状態。ある出来事の記憶がすっぽり抜け落ちていたり、まるでカプセルの中にいるような感覚がして現実感がない、いつの間にか自分の知らない場所にいるなど、様々な症状があります。これらの症状は、つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる一種の防衛反応と考えられています。



解離性健忘

最近の重要な出来事の記憶喪失。事故、死別などトラウマ的な出来事が関係し、抜ける記憶は部分的。数日で戻ることが多いが、長期化するケースも無くはない。



解離性遁走(フーグ)

ある日突然失踪し、いつのまにか普通に旅している。これも数日で終わることが殆どだが、時には長期間、全く別の人生を歩んでいたというケースも。



解離性昏迷

昏迷(反応が無く、大きな声で「大丈夫ですかー!!?」と言われてやっと覚醒する状態)をきたす。呼吸や眼の動きは保たれていることから、眠っているとか意識障害に陥っているわけではない。ただ話せない、動けないだけ。



ガンサー症候群

質問に対する「的はずれ応答」が特徴的。ぼんやりとしていて、一見すると認知症のような状態。刑務所など閉鎖的な環境に居た人で発症する、拘禁反応の一種として知られる。



離人・現実感喪失症候群

自分自身の心、身体が自分のものでないような感覚となり、そして周囲は色彩と生命感を欠いて人工的に見え、「非現実的」に感じる状態。生きている感じがせず、「自分自身を遠くから眺めているみたい」と訴える。単独で生じるケースは稀で、うつ病、恐怖症、強迫性障害などと関連して生じる。臨死体験もこれの一種では?という説が。



多重人格(解離性同一性障害)

複数の人格をもち、それらの人格が交代で現れます。人格同士はしばしば、別の人格が出現している間はその記憶がない場合が多く、生活上の支障をきたすことが多くなります。人格はそれぞれ、独立した記憶、行動、好みを持っていて、殆どの場合「互いの人格の存在には気づかない」。発症初期の頃の人格の交替は、突然に起こる。



その他、要点など

解離性障害のタイプには他にも、「身体が思うように動かなくなる」「感覚が変になる」「けいれんが起きる」など様々な症状をきたすことがあります。
いずれの症状においても、常に注意しなければならないのが「鑑別疾患」。ストレスで不思議な症状が出ている…と思いきや、脳梗塞などの病気で本当に麻痺、意識障害が起こっているかもしれません。そうした重大な病気を見落とさないこと
(・ω・)「解離を見たら器質(本物の身体の病気)を疑え!くまなく検査せよ!」
と、研修医時代に厳しく指導されました私。

他の精神疾患との鑑別も重要です。「現実感が無い」「自分が自分でない」といった自我障害の症状は、統合失調症など他の疾患でも起こることがあります。解離性障害は「ストレスが原因」であり、ストレスを取り除き安心を得るのが最大の治療ですが、他の疾患であれば治療方針も変わってくる可能性があります。よく観察し、よく話を聞き、正しい診断に繋げましょう。


以上。

【医局会】~例のワクチン~

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●新型コロナ関連の業務連絡

(`・v・)「学生さんの実習にも影響が出ています。院外での実習が延期になってしまったり。実習スケジュールを入れ替えるなどして調整することになります」
(´=ω=)「院外の関係者との面会は、極力オンラインでお願いします」
(`・ω・)「まだまだ大変な時期が続きますが、研究も頑張っていきましょう。研究主任の先生方は、若手の皆さんにみっちりご指導お願いします!」
(´-ω-)「学生さんの講義の担当シフト、決まりました。教員の先生方、確認おねがいします」


●新型コロナウイルスのワクチン

(^0^)「チーフレジデントから連絡です!いよいよコロナのワクチン、医療従事者向けの接種が始まります」
(^0^)「まずは意向調査があります。ワクチン接種を希望しない、という意見もあるかと思いますので、締め切りまでにアンケート用紙を提出してくださいね」
(´=ω=)「ちなみにアレルギーとか、業務内容とかに関する回答欄もあります。皆さんちゃんと書いたかな」
(^0^)「あと、異動で退職される先生は、異動先の病院で受けてください、とのことでしたー」


【おまけ】


ワクチンとは

ワクチンの種類・特徴については医師国家試験にも出ます。確認しておこう。



田辺三菱製薬 生ワクチンと不活化ワクチン

成分の違いから、大きく「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」に分けられます。


生ワクチン
病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたもの。接種の回数は少なくて済みます。十分な免疫ができるまでに約1ヵ月が必要です。


不活化ワクチン
感染する能力を失わせた(不活化、殺菌)ものを原材料として作られます。生ワクチンに比べて生み出される免疫力が弱いため、1回の接種では十分ではなく、何回か追加接種が必要になります。
トキソイドは細菌が作る毒素だけを取り出し、毒性をなくして作られたもの。不活化ワクチンと同じく数回接種して免疫をつけます。


●学生さん向け(ゴロ合わせ暗記)
HatenaBlog デキレジに!そして良医・名医に! 医師国家試験ゴロ・覚え方(3) 公衆衛生 2017-02-03

★生ワクチン
「黄むすびフロマージュ」
黄熱、ムンプス、水痘、BCG、風疹、ロタ、麻疹

★不活化ワクチン
「随分ハッピーなハイジ、怖い日本犬と恵比寿に百歩」
髄膜炎菌、肺炎球菌、HPV、破傷風、インフルエンザ、ジフテリア
コレラ、ワイル病、インフルエンザb菌、日本脳炎、狂犬病
A型肝炎、B型肝炎、百日咳、ポリオ


●新型コロナのワクチン


新型コロナウイルスワクチンの効果と安全性

通常開発に数年かかるワクチンですが、わずか今回1年足らずでコロナウイルスワクチンが誕生した経緯に疑問や不安を持たれる方も多いのではないでしょうか。我々になじみの深いインフルエンザワクチンや小児期の定期予防接種のワクチンは「生ワクチン」や「不活化ワクチン」と言われるもので病原体そのそのものを培養したうえで弱毒化・不活化する工程が必要なため、短期間かつ大量生産が難しいとされています。このため今回のパンデミックのような、早期かつ多くの人にワクチンを提供することを念頭に、全く新しい技術を使用しているのがコロナウイルスワクチンです。エボラ出血熱やSRASの経験が生かされたものと考えます。

現在日本で早期使用が予定されているのがmRNAワクチン(ファイザー社、モデルナ社)とウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社)です。

ファイザーとモデルナの mRNA ワクチンでは、第Ⅲ相臨床試験の中間報告が発表され、有効率 90%以上という優れた成績がみられています 。ちなみに同じ呼吸器感染症の不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンの65 歳未満の成人での有効率が 52.9%(2015/16 シーズン)と報告 されていることを考えると、予想以上の結果です。いずれのワクチンも筋肉内注射で 21 日から 28 日の間隔で 2 回接種します。


…引用元のサイト、しっかりした情報源をもとに纏めていて分かりやすい。熱心なクリニック院長と思われる。「免疫を獲得する機序」「有害事象の可能性」などについても詳しく書かれていますので興味ある方は是非。


以上。

【まとめ】~2月の日記まとめ~

振り返り、考察などは最後に。


医学系

【精神科の実際】~精神科の「入院適応」とは~ 2021.02.02
【精神医学】~摂食障害~ 2021.02.03
【認知症】~認知予備力とは~ 2021.02.04
【精神医学】~廃れた昔の治療法~ 2021.02.05
【リラクゼーション法】~自律訓練法、筋弛緩法~ 2021.02.07
【精神医学】~発達障害~ 2021.02.10
【精神医学】~リエゾン精神医学~ 2021.02.12
【地域連携】~精神科病院・クリニックの選び方~ 2021.02.14
【精神科診断】~性嗜好障害まとめ~ 2021.02.16
【書籍紹介】~現代精神分析基礎講座~ 2021.02.17
【書籍紹介】~エリクソンの催眠療法入門~ 2021.02.18
【精神療法】~内観療法~ 2021.02.19
【精神医学】~精神科専門医とは~ 2021.02.24
【精神医学】~クライシスプランの勧め~ 2021.02.25
【雑誌紹介】~標準的精神科医~ 2021.02.26


雑記

【まとめ】~1月の記事まとめ~【医局会】特になし 2021.02.01
【医局会】~来年度へ向けて~【研究がんばろう】 2021.02.08
【お知らせ】~メインページ更新、と今後の課題~ 2021.02.09
【人工知能】~基礎知識、キーワードまとめ~ 2021.02.11
【科学ネタ】~相対性理論入門~ 2021.02.13
【医局会】~開業のお知らせ~ 2021.02.15
【雑記】~医師当直室について語る~ 2021.02.21
【医局会】~履歴書、準備しよう~【異動シーズン】 2021.02.22
【宇宙ネタ】~火星に着いた。~ 2021.02.23


前管理人

言葉の選び方(前編) 2021.02.06
進化するネット環境 2021.02.20
引き継ぎの時期 2021.02.27


まとめ

【まとめ】~1月~
【まとめ】~12月~
【まとめ】~11月~
【まとめ】~10月~
【上半期まとめ】~4月から9月~


反省(先月の目標を振り返る)

・精神科臨床医として、大学病院として、精神科医局としての「価値ある情報」発信を
なるべく私の臨床経験、考察を交えて書こうとしましたが…下手なこと書くとエビデンス(根拠)が乏しくなる、という問題点を認識させられる現実に直面した。結局、まだまだ私自身、知識が足りないのだと痛感。

・全範囲、全分野ある程度カバー
疾患別、専門領域別、治療法など、ジャンルを意識してみました。論文・雑誌紹介は少なめに、教科書を中心に読み漁った1ヶ月であった。全範囲カバーまであと少し。


3月の目標

(・ω・)ネタが尽きてきた。
…いやまぁ、11ヶ月も続いたこと自体、よく頑張ったと思います我ながら。だが残すところ最後の1ヶ月。何が何でも完走してみせる。前管理人のマラソンにかける情熱を見習い、3月31日というゴールまで根性出していこう。で、目標としては

・まだ扱っていない精神医学ジャンルをカバー
児童領域、器質性(認知症含む)疾患、性同一性障害などが残ってたと思う。

・まとめ系、記事の整理
雑記系はともかく、医学系の記事はせっかくだから整理整頓、まとめておく。

以上。

引き継ぎの時期

今日は写真などがない文章だけの日記です。

早いもので今週末で2月も終わりです。もともと2月は28日か29日しかないので短いんですが、今年の2月は予想していなかったことが次々に起こる感じで、対応に追われる日々だった印象があります。

いつもの2月に比べてもあっという間に終わった感じがするのはそういう事情があったかもしれないですね。


さて今年もそろそろ異動の季節がやってきました。

当教室は例年に比べても異動が多い印象で、下半分は私を除いて総入れ替え。

私は4月以降も大学に残りますが肩書が医員から助教に変わります。

医員から助教に変わると仕事の内容も大きく変わるので、私も異動になるようなものですね(苦笑)


特に大きく変わるのは、

・外来を診ることになる。病棟での立場は主治医から指導医に変わる(まだまださらに上の指導医の先生の指導が必要な立場ですが)

・これはすでにそうなって来ていますが、これまでT先生が中心となって行ってきたrTMS治療の実際を、今後は私が中心で行う

・学生の指導に関することもボチボチ入ってくる


これからは臨床だけでなく研究や教育のことにも目を向けないといけません。


さて、引き継ぎの時期になる3月。

この日記での私はと言えば、「前編」で終わっている日記がいくつかあるので、それを現管理人の間に完結させることが引き継ぎになりますね(笑)

仕事最優先ですがなるべく時間を作って書いていきます。

【雑誌紹介】~標準的精神科医~


精神科治療学 第36巻02号
《今月の特集:「標準的精神科医」へのすすめ─プロと呼ばれるために私たちは何を習得すればよいか─Ⅰ》
精神科医がプロとして最低限、持つべき知識や技能とは何か! 本特集は、これができるならば、あるいはこの知識を持っているならば、他科の医師と差別化できる精神科のプロであると言える知識や技能を、精神科各分野の専門家が提示。精神科専門医をめざす専攻医に長く役立ち、さらにはベテラン精神科医が知識や技能を見直すために最適。


今回の雑誌はマジでおすすめ。10月9日の日記で紹介した雑誌に似てるテーマだけど、こちらは「一人前になったつもりの精神科医も、今一度わが身を振り返れ!」というレベル。精神科臨床に確実に役立つ知識が、図、表を用いてしっかり纏められています。今回はパートIということで、来月のパートIIも期待。

ポイントを紹介。

・特集にあたって 兼本浩祐先生
(・ω・)「ただマニュアル通りの治療、お薬の処方だけ、じゃプロとは言えませんよ。専門家としての知識を身につけましょう」

・精神科医に必要とされるもの─精神療法マインドと見立ての力を育むために─ 中尾智博先生
(・ω・)「時間がとれず、十分に面接できない先生が多い。けど精神療法の考え方はとっても大事だよ」

・強制治療に踏み込むための標準的知識と技能 山中浩嗣先生
(・ω・)「臨床においては法律通りに上手くいかない場面もありますが…専門家としての義務、責任をしっかり把握しておくべし」

・公的制度を活用するための標準的知識と技能 中山達也先生
(・ω・)「支援、手当、サービス、根拠となる法律、ぜんぶ把握しているかい?ちゃんと表に纏めたから読んでね!」

・標準的精神科医が知っておくべき精神病理学 古茶大樹先生
(・ω・)「社会・人文科学の領域にも踏み込むのが身体科との違いなのだ。しっかり解説…したいがページが足りん」

・標準的精神科医が知っておくべき画像所見 乾好貴先生
(・ω・)「念のためCT、MRIを撮っておこう、よし異常なし…じゃプロとは言えんよ。読影のポイント教えてやるぜ」


こんな感じ。この後にもコンサルテーション・リエゾン分野、児童精神科領域、成人の発達障害、認知症、依存症、睡眠、などが続きます。各分野の偉い先生方が、マニアックで難解ではなく、初心者向けの教科書的なレベルに留まらない、まさに「専門家として求められる水準」の知識、ポイントを分かりやすく纏めて書かれています。

以上。

【精神医学】~クライシスプランの勧め~


山梨県立北病院 クライシスプランを用いた退院支援より


クライシスプランとは

入院を繰り返しがちな患者さんに推奨される取り組みである、クライシスプランについて紹介。
解説を始める前に…


実際に見た方が早い。(Google画像検索してみよう!)



群馬県立精神医療センターより


医療法人社団八葉会 大石記念病院 より


こんな感じです。では解説

公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
医療観察法対象者における障害福祉サービスの活用状況の実態把握と受け入れを促進させるための方策に関する研究(pdfリンクあり)より

近年、主流となっている『クライシスプラン』は、精神症状及び状態悪化のレベルごとに、
①一般対応レベル
②緊急受診レベル
③入院必要レベル
などのように3~5段階の表形式で区分し、それぞれについて、対象者の
「病状悪化の注意サイン」
「対象者(自身)家族等の対応」
「通院(地域)処遇に関わる関係機関のスタッフ(援助者等)の対応」
などを詳しく記載し、「各関係機関の連絡先一覧」も加えて作成されるもので、(地域)処遇における対象者の病状急変時等の緊急時における対応の重要な指針となっています。



患者さんと一緒に、みんなで作る

患者さん本人、支援者(ご家族、主治医、心理師、看護師、ソーシャルワーカーなど)、みんなで一緒に話し合って作る計画書です。
「調子が悪かったとき、どんな感じだったか」を振り返ることにもなるので、心理教育としての効果も期待できます。



青信号、黄色信号、赤信号

症状が安定しているとき)
黄色症状が不安定になったとき)
(明らかに症状が悪いとき)

基本、この3段階に分けて振り返り、症状の変化に「早めに気付く(本人が自覚する、周りが気付く)ためのサイン」を考えます。
特に大事なのが黄色信号。まだ余裕があるうちに早めの対処、治療に結び付けましょう。



具体例

睡眠時間:青(7時間)、黄色(4時間)、赤(昼夜逆転、全然眠れていない)
食欲:青(3食規則正しい)、黄色(不規則)、赤(体重変化。1週間で±2kg)
通院:青(毎月、時間通り)、黄色(休みがち、遅刻しがち)、赤(ドタキャン)



対策(自分でやること、周りにやってもらうこと)

自分で:頓服薬を使う、電話で相談する、受診を早める
周りで:訪問看護を多めにする、入院の予約をとっておく


まとめ、ポイント

こうした対策、計画書を作っておくことで、患者さん本人も、周りの支援者も、「こんな時どうすれば良いか」を共有できるようになります。信頼関係を深め、早めの対応・治療による長期的な症状安定に繋がることが期待されます。双極性障害など、症状に波がある人の場合はライフチャート(10月6日の日記参照)も併せて使うと良いでしょう。

以上。