医局日記

【雑誌紹介】~臨床精神医学より、若手医師へ~


臨床精神医学 2015年 vol.44 No.6 特集 若手医師に伝えたい精神科診療の基本
出版元であるアークメディア社のwebには何故か注文ページなかった。
別サイトになりますが注文、紹介等はこちらで。

ジャンルが幅広い上に内容も詰まっていて、うまく纏められん。ぜひ読んで欲しい。
とりあえず紹介(?)がてら、私の独断と偏見で名言(?)をpick up。


・「今後を予測する」という視点を忘れずに。診断の本質とは「未来の予測」である。

・伝統的診断も操作的診断も「コミュニケーション能力」が要求される。患者との良好な関係性を確立できて初めて明らかになることが少なくない。

・(うつ病では)薬物療法のみでは2年間で7割が再発するのに対し、家族療法、生活技能訓練などの併用によって再発率が有意に低下する。薬物ですべてを解決させようと思わず、広い視点をもつことが大切。

・「なぜ統合失調症になったのか、入院しなければならなかったのか」という問いに、認知機能・精神病理・脳機能を答えても「病を得るという不合理」の答えにはならない。病気と苦労を体験することで気付いた意味、価値、在り方。それらは大切な、人の成長と社会の発展についての普遍的な理念である。

・強制入院制度に関する書類審査では法律家も参加している。手間のかかる書類照会をあえてするのは、人権に関わる問題や精神医学的に確認したい点があるからである。

・当事者にとっては「主治医の存在」や「主治医の役割」は思った以上に大きく、病状を左右する可能性も高い。


などなど。

予診、診断、器質的疾患、薬物療法、精神療法、多職種連携、リエゾン、など幅広く取り上げられています。


私、常に自問自答しているのですが、精神科医とは一体、何者なのだろうか。
精神科医にしか出来ないことってあるだろうか。それは何だろうか。
精神科医の腕の良し悪しは、何によって決まるのだろうか。
これからの時代、精神科医には何が求められているのだろうか。

そんな疑問の答えに少し近づけたきがします(・ω・)
以上。