医局日記

【地域連携】~精神科病院・クリニックの選び方~

精神科と心療内科の違い

精神科…うつ病、統合失調症などの心の病を専門的に治療。
心療内科…胃潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)、気管支喘息(ぜんそく)などといった、体の不調に心理的な要因が関わっている場合(心身症)が対象。

実際にはどちらを受診しても、心身症やうつ病などの治療はしてもらえる。ただ、精神科を受診することに心理的ハードルを感じる人が多いため、ほとんどの精神科医は診療科名に『心療内科』を併記している。精神科医は心身症の診察もできるので、どちらにかかっても大丈夫です。
ちなみに佐賀大学の場合は「精神神経科」と名乗っていますが、心療内科の範囲までカバーしています。


クリニック、病院の違い

クリニック(診療所/医院)

《メリット》場所が良い、土曜日も開いてる、など通いやすい。同じ医師(≒院長)が長く担当してくれる。
《デメリット》時間外は対応できない。



精神科病院

《メリット》24時間体制。入院治療ができる。臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士など、多くの専門スタッフがいる。
《デメリット》病院の数が少なく、アクセスの悪い郊外にあることが多い。



総合病院、または大学病院の精神科

《メリット》他科と連携した治療が受けられる。
《デメリット》なかなか予約がとれない。待ち時間が長い。医師の異動が多い。


まとめ

2月2日の日記で解説した通り、精神科の場合は重症化する前の、早めの入院が有効な場合があります。特に「生活に重大な支障が出ている」「命の危険がある」ような状態なら迷わず、入院施設のある病院を受診するべきでしょう。
なお大学病院の場合、大学病院でなければ治療ができない、という特殊なケースを最優先に対応しています。逆に言うと、そうしたケース以外の治療は苦手です。あと毎年のように異動で医師が入れ替わります。
精神科病院であれば、デイケア、作業療法就労支援、グループホームの紹介、など、自立した生活へ繋げるための様々な支援体制が整っています。
(・ω・)状況に応じて、適切な医療機関、医療資源を活用していきましょう!

以上。


※参考資料

心の不調、訪れるべきは精神科? それとも心療内科? 2015年07月22日


クリニック、精神科病院、総合病院、大学病院、どれがいい? 2018年4月5日