医局日記

珍百景神社

帯状疱疹に始まり、帯状疱疹に終わった感のある私の10月。悪い流れの時には悪いことが続くもので、呪われているんじゃないかと疑心暗鬼にもなったりします。

そんなわけで、とうとう神社にお祓いに行くことにしました。これで流れが変わってくれればいいんですけどね。


さて、最近毎週帯状疱疹ネタで終わっていた感があるので、今日は話題を変えます。


私の地元からそんなに離れていない有田町に、「陶山神社」という神社があります。

公式ホームページはこちら→http://arita-toso.net/#sp_section3


佐賀県は全国でも知名度はマイナーな部類に入りますが、有田町は「有田=焼き物」とおそらく誰でも思い付くくらいに有名な町です。よく長崎県と勘違いされるのが佐賀県民としてはつらいところですが(苦笑)

この神社も、「陶」と付くだけあって、鳥居が磁器で出来ていたりします。普通鳥居と言えば金属で赤ですが、ここの鳥居は白ベースです。

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テレ朝の「ナニコレ珍百景」にも出たことがありますが、珍百景ネタは鳥居ではありません(爆)

どこの神社もそうと思いますが、陶山神社も本殿に着くまでの参道にはいくつか階段があります。その1つ目の階段を上り終わったところに、


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踏切と線路があります。参道の途中で線路が通っている神社はいくつかあるかもしれませんが、階段を登り終わったすぐ、というのはたぶんここしかないと思います。だから珍百景に選ばれたと思うわけで(笑)


ちなみに、写真を見て違和感を感じられたと思いますが、有田陶器市期間中は人が多いのでここで電車待ちをしていたら危ないということで、この階段は通行禁止になります。安心してください、迂回路はありますよ(古)


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ところで、私がどこでお祓いを受けたかというと…

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この神社ででした。

高いところにお札を掲げるのが良いと聞きますが、マンションは適当な高いところがないので、いい場所を思いつくまで、とりあえず医局の私のロッカーの上に置いています(笑)

それにしても表記が…。もう「佐賀医科大学」ではなくなって15年以上経つから、そろそろ「佐賀大学医学部」に張り替えたらいいのに。


【精神医学】~ポリヴェーガル理論(神経発達)~


肥前精神医療センター@吉野ヶ里町

先日、肥前精神医療センターにて開催された佐賀精神科集団会を受講してきました。

特別講演として、同センターに勤めている佐川先生の「発達性トラウマの視点からの介入」発表が凄く勉強になりました。
一部内容について紹介いたします。



「なぜ人は挑戦できないのか?」神経科学から見た人材育成~ポリヴェーガル理論 2019.10.08
カウンセリング&セラピー AROHAM
HOME/こころのこと/ポリヴェーガル理論とは 2017.12.04 より

ポリヴェーガル理論

アメリカ・イリノイ大学精神医学部名誉教授のスティーブン・ポージェスが提唱した理論。

今まで自律神経による自己調整・環境適応は「交感神経」と「副交感神経」の2種類によって調整されていると考えられてきました。
ポリヴェーガル理論では
背側迷走神経(副交感神経)」
「交感神経」
腹側迷走神経(副交感神経)」
の3種によって自己調整・環境適応が行われており、その使用は生命の進化の段階にヒエラルキーが形成されていると説明しています。


胎児も母体の中で魚→トカゲ→ヒトのように、胎内で進化を辿る。

この神経の発達の過程を順序立てて理解することはヒトの落ち着いた状態やストレス状態(圧倒やフリーズなど)を見極めるのに役立つ。また3つの神経系の特徴を知ることで、クライアント(や自分)の自動反応を理解したり、過剰な反応を予防することにも役立つでしょう。

(要約すると…)
背側-迷走神経が最も古い(爬虫類時代)神経で、「動かなくなる(死んだふり、スリープ状態)」。
交感経は2番目に古い(哺乳類時代)神経で、「戦う・逃げる(緊張・警戒)」。
腹側-迷走神経が最も新しい(人間の)神経で、「他者との関り、安心感(リラックス)」。


https://themovementparadigm.com/how-to-map-your-own-nervous-sytem-the-polyvagal-theory/
”polyvagal”でググったら出てきた。


精神科臨床においては…

具体的な例として、被虐待経験をもつ子供が、非行や自傷に走ってしまうケース。
上記3種類の神経がバランス良く発達していかないと、様々な弊害を引き起こす。

背側迷走神経が過剰にはたらくと「解離症状(意識消失、動けなくなる等の症状)」を引き起こしたり
交感神経が過剰にはたらくと、常に攻撃的、怒りっぽくなり対人トラブルが頻発。
腹側迷走神経が発達しないままだとリラックス、人に心を許すことが出来ないままとなり、いくら支援の手を伸べられても孤立・自滅の道を突き進んでしまったり。

こうした「生きづらい人」というのは、精神科においてはよく出会います。
ここでポリヴェーガル理論を意識すると、「この人はどの神経が過剰で、どの神経が弱い」「状況と、はたらく神経がかみ合ってない」といった視点から問題点を認識し、治療計画を立てやすくなると思われます。



「今ここ」神経系エクササイズ 「はるちゃんのおにぎり」を読むと、他人の批判が気にならなくなる。
浅井咲子 (著), 大越京子 (イラスト)

出版社 : 梨の木舎
ISBN-13 : 978-4816617072

上記本を紹介されました。

神経発達には5感が大事。触ったり、握ったり、聞いたり、見たり。
子供だけでなく、大人でも効果はあるそうです。


まとめ

自律神経は3種類あるとの説、それがポリヴェーガル理論。
これを意識しながら診察することで、PTSDなどのトラウマを抱える患者さんにアプローチしていく。
それが最近の主流となりつつあるようです。どんどん勉強、取り入れていこう(・ω・)

以上。

【精神医学】~医療観察法~

第112回医師国家試験の問題および正答について より

112-C12 心神喪失の状態で殺人未遂を犯し、不起訴処分になった者の指定入院医療機関について定めた法律はどれか。

a 刑 法
b 医師法
c 医療観察法
d 地域保健法
e 精神保健福祉法


正解はC。
国家試験にも出た、この法律について紹介します。


厚生労働省 ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 障害者福祉 >
心神喪失者等医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律) より

概要:心神喪失又は心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかないなど、刑事責任を問えない状態)で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、強制性交等、強制わいせつ、傷害)を行った人に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした制度。

上図に載ってない部分を含めて解説。


国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 司法精神医学研究部 より

刑事責任能力鑑定

起訴前鑑定
検察官がその事件を起訴するかどうかを判断する際に、参考として行われるもの。通常の勾留期間中に半日~1日で行われる「簡易鑑定」と、通常2ヶ月程度の鑑定留置期間を別途もうけて行われる「起訴前本鑑定」とがあります。
起訴後に裁判所の判断で行われるのが「公判鑑定」です。最近では公判前整理手続きのなかで行われることも多く、とくにこの場合を「公判前鑑定」と呼んで区別することもあります。

刑事責任能力とは

1.責任無能力(心神喪失)=無罪
…精神の障害によって、善悪の判断をする能力またはその判断にしたがって行動をする能力が失われている状態。
2.部分責任能力(心神耗弱)=減刑
…精神の障害によって、善悪の判断をする能力またはその判断にしたがって行動をする能力が著しく障害されている状態
3.完全責任能力=有罪
…能力が障害されていたとしても「著しい」に達しない状態。
という3つに区別されています。

責任能力についての鑑定書の書き方、具体例を含めた詳細な解説が上記サイトで公開されてます。
7つの着眼点(動機の了解可能性、犯行の計画性、違法性の認識、免責可能性の認識、平素の人格に対する異質性、犯行の一貫性、犯行後の行動)など、司法精神医学を志す人は必読。


医療観察法鑑定

医療観察法の審判にあたって、その判断材料を得るために行われるもの。医療観察法の処遇の3要件「疾病性」「治療反応性(可能性)」「社会復帰要因」について検討されます。

観察法の鑑定入院
最終的な決定が出されて、指定入院医療や指定通院医療の処遇が開始される(あるいは処遇が行われないことが決まる)までの期間、対象者は病院に入院して、標準的な精神医療を受けます。この期間を「(医療観察法の)鑑定入院」と呼びます。


医療観察法の指定入院医療

医療観察法の処遇として行われる、入院医療。全国で標準化されたガイドラインにそった治療が提供されています。急性期(3か月)、回復期(9か月)、社会復帰期(6か月)の3期に分けて目標設定を行い、多職種チーム医療を基本とした治療を行っています。
半年ごとに入院の延長が必要かどうかについて、地方裁判所の審判による決定を受けます。症状が改善して地域での生活ができるようになると、地方裁判所における退院の審判決定を経て、指定通院医療に移行します。


補足

厚生労働省 指定入院のガイドラインより

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こんな感じで、様々な観点・評価をきめ細かにチェックしていくことになります。


法律制定の背景・歴史…

相当長く、複雑な内容になるため、今回は控えます。
この法律は制定まで紆余曲折あり、今もなお賛否両論あるため、私自身うまく纏めきれる自信が未だありません。引き続き、勉強してまいります。


以上。

【医局会】~病院見学、周産期メンタルなど~

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【学生さんの病院見学について】

(`・v・)「先日、臨床実習ワーキンググループに参加してきました。学生さんの”病院見学”について、制限見直しになりそうです。」
(`・v・)「現在、新型コロナ流行地域である”東京・神奈川・大阪”への移動、学生さんは原則禁止としていました。やむを得ず行った場合には、佐賀に帰ってきてから2週間の自宅待機。」
(`・v・)「それを撤廃しよう、ということです。何しろ関東圏の学生さん達は既に自由に病院見学をすすめているので、ちょっと格差が生じてしまっています。」
(`^ω^)「佐賀で学び育ったのだから、できたら佐賀県内の病院に就職してほしいなぁ、僕としては。」


【周産期メンタルヘルスについて】

(´・∀・)「リエゾン担当より。なんだか毎年、右肩上がりにコンサルト件数が増えてます」
(´・∀・)「特に対応が難しいのが、精神疾患合併の妊婦さん。周産期メンタルヘルス、国・自治体を挙げて早期治療・介入に取り組まれていますが…結果として精神科医+産科医とも常駐している我ら佐賀大学病院、佐賀県中の妊婦さんの精神科関連の相談、片っ端から電話かかってくるので」
(´・∀・)「ちょっと対応がパンクしつつあります、どうしましょう…」

(`・ω・)「県としては国立佐賀病院を”妊娠SOSさが”の拠点にしていますが、精神科医は常駐していませんからね。心理士の先生が頑張っていますけれど、精神科医の対応を要する事態となると、大学病院に相談せざるを得ない」
(`・ω・)「とは言え確かに、大学病院が全て対応というのも厳しい。もうちょっと各病院と連携を取れるようにしたいんだけど、なかなか予算が下りなくて…」
(`・ω・)「引き続き交渉していきます。ごめん、それまで頑張って!」

(・ω・)周産期メンタルヘルスについては、また後日まとめていきたいと思います!


【芋ほり】

(`〇-〇)「今日、病棟の中庭で芋掘りやります。手の空いている先生方、ぜひ振るってご参加を」
(・ω・)よっしゃ掘りまくるぞ


~お昼休み、雑談~

(・ω・)!あの姿は!
(`〇-〇)「お、某病院に派遣中の某医員だ」
(´〇∇〇)「お疲れ様です、また用事あって来ましたー」
(σ‿ σ)「気を付けて!インタビュー記事にされちゃいます」
(`〇-〇)「アリを観察してたら記事にされたよ僕」
(´〇∇〇)「??」

(・ω・)最近、いかがお過ごしですか?
(´〇∇〇)「相変わらず本読んだりリングフィットしたりして過ごしてます」
(σ‿ σ)「夢中になると『リングフィット攻略のために筋トレ』すると聞きました」
(`〇-〇)「マジか」
(´〇∇〇)「あー、それ本当です!いつの間にかどんどん健康的な体になりますよー」

(σ‿ σ)「来年の人事、どうなりますかねー?」
(´〇∇〇)「僕は電車通勤だから…場所によってはきついです」
(σ‿ σ)「引っ越すにしても、できれば都会に住みたいです、鳥栖とか」
(・ω・)分かります!フレスポ鳥栖、楽しいですよね!
(σ‿ σ)「私はプレミアムアウトレット行くのが好きですー」

(`〇-〇)「そういえば君に、言語人類学の本を貸したいと思っていたんだ」
(´〇∇〇)「ありがとうございます、ぜひ」
(`〇-〇)「ちなみに上下巻で600ページある」

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩
ISBN-13 : 978-4794224217

(`〇-〇)「君は勉強熱心だからね、つい本を貸したくなっちゃうんだ」
(´ ∇ )〇〇「はわわ」

(・ω・)今日も平和な医局だなあ


以上。

【心理学】~やる気を出すために~


心理学のすべてがわかる本 ISBN978-4-05-406747-9
第6章 自分のための心理学
5.やる気を出すための心理学 より

「出来たらご褒美がもらえる」という報酬による動機づけを「外発的動機づけ」と言う。
報酬が無くても「行動そのものが楽しい」という動機づけを「内発的動機づけ」と言う。

で、どっちが良いの?…実験した結果、

「出来たら報酬あげます」と伝えたグループよりも
報酬について何も伝えなかったグループの方が、出来が良かった。意外!


結論として、内発的動機づけの方が強い
また、報酬を約束することで逆にやる気を削いでしまうことを「アンダー・マイニング効果」と言う。

しかし当然ながら、「こんなの無理だよ…」という達成できそうにない目標だと、やる気は出ない。
自分ならできる、やれる!」という自己効力感を持つことが必要であり、そのためには目標設定が重要。

では、どう目標設定するのが適切か?…実験した結果(心理学者は実験好きだ)、

「長期目標(1週間で〇〇)」「そもそも目標なし」のグループよりも
短期目標(1日で〇〇)」のグループの方が、大きく自己効力感が高まった



6.原因帰属理論

どんなに頑張っても失敗することはある。そりゃ仕方ない。
ただ、失敗の「原因」をどこに見出すか?(原因帰属)次第で、やる気は大きく変わる。


ラン‐タン -情報デザイン × 認知心理学 で 学び をデザインする
原因帰属理論とは?8パターンの原因帰属を理解して、行動とモチベーションを改善しよう
より

自分の問題(内部)、他人の問題(外部)
いつものこと(安定)、たまたま(不安定)
変えられる(統制可能)、変えられない(統制不可能)
…の組み合わせによって、8種類に分類される。

では実際、どの原因帰属が良いの? については、
「答えは無い」
みたいです。状況、バランスによって使い分けるべし。

統制不可能、外部「あいつが悪い、運が悪い」ばかりでは成長しないけど、
統制可能、内部「自分の努力不足!」ばかりではハードルが高くなり過ぎて潰れる。
「自分で、こうすれば良かったなー」「いや今回は流石にどうしようもなかった」と、適度に使い分けよう。

「最近調子が悪いなぁ」と感じる人は、いま一度、自分の原因帰属を意識して振り返ってみよう。
どこかに偏ってないか?いつも自分のせい、他人のせいにしてないか?
それを見直すだけで、あなたのモチベーションは大きく変わるかもしれない。


まとめ

「これを乗り越えたらご褒美だ!」は、ほどほどに。
内発的動機づけを重視しよう。仕事・勉強を楽しめるようになれば最高だ。
そして目標設定は「短く」を意識しよう。
行き詰ったとき、原因帰属を意識して振り返ろう。
自己効力感を高めていこう。自分なら出来る!(`・ω・´)b


以上。

【国試ネタ】~精神科系の問題~


第112回医師国家試験の問題および正答について
より。問題と正答ぜんぶ公開されている。とりあえず第112回の問題からチョイス。
参考文献は精神症候学(ISBN 978-4-335-65141-0)、現代臨床精神医学(ISBN 978-4-307-15067-5)など。


第112回 A問題 第6問(以下、112-A6と略記)

睡眠について正しいのはどれか。
a 夢を体験するのは浅いノンレム睡眠の時期である。
b 深いノンレム睡眠は朝方に向けて減少する。
c レム睡眠は緩徐な眼球運動が特徴である。
d 乳幼児ではレム睡眠が成人より少ない。
e 総睡眠時間は青年期以降一定である。



睡眠のキホン

「最初は深く、だんだん浅くなっていく」というイメージで覚えよう。
だって起きる瞬間は「夢から覚める」。一番浅くなってるわけだし。
赤ちゃん、子供は寝まくってる。(お昼寝タイム)
高齢者ほど短く、浅くなっていく。(おじいちゃんは早起き)

Rapid Eye Movements(REM)睡眠
夢を見ている浅い睡眠。身体は動いてないけど、目玉は“急速に”動いているらしい。

よって、
a 夢を体験するのは浅いノンレム睡眠の時期である。 x 浅いのはレム睡眠。
b 深いノンレム睡眠は朝方に向けて減少する。〇 正解。
c レム睡眠は緩徐な眼球運動が特徴である。 x ”Rapid”、急速。
d 乳幼児ではレム睡眠が成人より少ない。 ? (参考文献に載ってなかった…)
e 総睡眠時間は青年期以降一定である。 x おじいちゃんは早起き。


112-A26

67 歳の女性。不眠を主訴に来院した。1か月前から夜になると両足に虫が這うような不快な感覚を自覚していた。この不快感は安静にしていると増強するが、足を動かすことで軽減する。かかりつけ医からは経過をみるように言われたが良くならず、足を動かしたい欲求が強く寝つけなくなり受診した。四肢の筋トーヌスは正常で筋力低下を認めない。腱反射は正常で、Babinski 徴候は陰性である。感覚障害と小脳性運動失調とを認めない。歩行に支障はなく、日常生活動作にも問題はない。血液生化学検査では血清フェリチンを含めて異常を認めない。
適切な治療薬はどれか。
a β 遮断薬
b 筋弛緩薬
c 抗コリン薬
d ドパミン受容体作動薬
e アセチルコリンエステラーゼ阻害薬



医療法人東横会 たわらクリニック むずむず脚症候群 より

むずむず脚(レストレスレッグス)症候群
・脚の不快な感覚のため、脚を動かしたくてたまらなくなる
・安静にして、横になったり座ったりしていると症状があらわれる、または強くなる
・脚を動かすと、不快な感覚が軽くなる
・夕方から夜にかけて症状が強くなる
といった症状が特徴。ドパミンの機能障害や鉄が関与していると言われている。
精神科のお薬の副作用で生じることがある。(ドパミンを抑える作用の薬)
副作用なら原因薬の減量・中止が望ましいが、原因不明で発症するケースもたまにある。
対策、治療法
・カフェインやアルコール、喫煙を避ける
・鉄分を補充し、バランスのよい食事
・ストレッチやマッサージ
ドパミンの働きを補う薬、てんかんの薬

よって正解は d ドパミン受容体作動薬 一択。


112-A42

27 歳の女性。突然起こる動悸や息苦しさを主訴に来院した。約1か月前、出勤時の電車内で突然、動悸と冷や汗が出始め次第に呼吸が荒くなり、「このまま窒息して死んでしまうのではないか」という恐怖感に襲われた。途中の駅で電車を降りたところ、症状は約 10 分で軽快した。以後も電車の中と自宅で1回ずつ同様の症状があった。心電図を含めた精査を行ったが、異常を認めない。どのような場所にいても「また症状が起きるのではないか」という心配が続いている。
このような心配が持続する症状はどれか。
a 心気妄想
b 自生思考
c 閉所恐怖
d 妄想気分
e 予期不安


パニック発作
「動悸、発汗、窒息感、死の恐怖」などから過呼吸を生じる症状。
救急車要請となるケースも多い。
この症状だけで死ぬことは無いが…めっちゃ苦しくて怖い。
繰り返すうちに「もう嫌だー、また起きたらどうしよう」と、”予期不安”を生じる。

ちなみに「パニック”発作”とパニック”障害”って、どう違うの?同じ?」という方へ。
パニック発作は、色々な原因・病気(閉所恐怖症、高所恐怖症、社交恐怖症などなど)で生じることがある。
原因が無いのにいきなり発作が生じるのが「パニック障害」です。
予測・回避困難なため凄く大変な病気。


というわけで e 予期不安 が正解。

ちなみに他の選択肢…
心気妄想:「病気に違いない!」という妄想。
自生思考:「関係ない思考が勝手に浮かんでくる」。軽微な自我障害。
妄想気分:「どこかいつもと違う…!」という漠然とした緊張。
です。



今回はここまで。以上。



【まとめ】10月の日記、振り返り

10月01日の日記にて上半期の記事について振り返り、「医学系記事の割合50%」を目標に掲げた私。さて、今月を振り返ってみる。

・医学系 15
・雑学、雑談 9
・前管理人 4
・教授の音楽療法 3

結果は15/31(48.3%)。ぎりぎり届かなかったけれど、まあまあの結果だ。
振り返り、目標を立てたお陰で、普段から積極的に医学雑誌、教科書を手に取りネタを探s 勉強する癖がつきました。
自分自身にとっても知識・自信になったし、
発信を通して患者さん、学生さん、若手精神科医の皆さんの役に立ちたい、という臨床医としてのモチベーション向上にも繋がりました。
継続は力なり。

●今後の方針、目標

・医学系記事の割合 は40%以上をキープ。努力目標は50%。
・トップページ、メインページの更新、再設計。(写真を中心に更新、カテゴリの整理など)
・2021年3月31日まで休まず完走してみせるッ!


以上。
以下、10月の全記事へのリンク集です。


【雑学、雑談ネタ】

【まとめ】~2020年上半期記事~ 10.01

【医局会】~…の後の雑談~ 10.07
【医局会】~停電~ 10.14
【医局会】~専攻医登録、外来お引越し、学生実習~ 10.21
【医局会】~病棟医長インタビュー~ 10.28
【医局雑談】~ギターって楽しいよね~ 10.13

【宇宙ネタ】~金星でのスイングバイ(重力アシスト)~ 10.18
【佐賀ネタ】~佐賀県の原子力防災~ 10.25
【宇宙ネタ】今夜はブルームーン 10.31

【医学ネタ】

【精神療法】~アサーション~ 10.02
【教科書?】~神田橋先生、養生のコツ~ 10.04
【精神医学】~病名告知~ 10.06
【雑誌紹介】~臨床精神医学より、若手医師へ~ 10.09
【医学雑誌】~脳科学、functional MRIについて~ 10.11
【論文紹介】~火星往復シミュレーションと睡眠~ 10.16
【心理学ネタ】~IQの調べ方~ 10.19
【精神医学】~ステロイド精神病~ 10.20
【精神医学】~精神科の”入院形態”~ 10.22
【手の外傷】~初期対応などを中心に~ 10.23
【雑誌紹介】~自慢の給食メニュー~ 10.27
【精神医学】~rTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)とは~ 10.30

【抄読会】~双極性障害に使うお薬の変遷、アメリカでは~ 10.05
【勉強会】~高尿酸血症~ 10.12
【勉強会】~高齢者の健康、フレイル~ 10.26

【前管理人】

(短期集中企画⑥)2020五島つばきマラソン(前編) 10.03
災難続き、厄年なのか? 10.10
帯状疱疹、その後 10.17
近況報告 10.24

【教授の音楽療法】

【教授の音楽療法】~巨星墜つ!!~ 10.08
【教授の音楽療法】~相関研究と経時的研究~ 10.15
【教授の音楽療法】~お洒落な感じと言えば、、~ 10.29

【宇宙ネタ】今夜はブルームーン


今年のハロウィンは46年ぶりの満月、次回は38年後 2020.10.30

2020年10月31日は満月。tenki.jpによると、ハロウィン当日である10月31日に満月になるのは1974年以来46年ぶり。次に10月31日が満月となるのは38年後の2058年だという。しかも今月2度目の満月であり、ひと月に2度見られる満月「ブルームーン」でもある。

満月における地心距離は、およそ35万6,000キロメートルから40万7,000キロメートルの間で変化し、月の視直径は地球と月との距離が近いときには大きく、遠いときには小さくなるため、「今年もっとも小さく見える満月」でもあるのだ。


【おまけトリビア】

アポロ宇宙船が月に行ったとき、どの向きから月に接近したかご存じでしょうか。

Free-return trajectory(Wikipedia)より

Free return trajectory(自由帰還軌道)。月の公転方向の前側から接近し、8の字を描いて帰って来る。

「軌道が8の字になるなんて不思議だなぁ」と思ってた私でしたが、これスイングバイを利用してたのだと今更気づいた。



スイングバイ航法 より

もし月へと向かっていった宇宙船が途中でエンストしても、この軌道ならスイングバイによって減速し、そのまま地球に戻ってこれる。
逆に、月の後ろ側から接近すると加速スイングバイになってしまうため、宇宙船は遥か彼方まで飛んでいってしまう。


【月行きたい人、手あげて~】

NHK NEWS WEB 月探査の宇宙飛行士募集へ 「アルテミス計画」で 萩生田文科相 2020年10月23日


『NHK NEWS』月探査「アルテミス計画」文部科学省 約800億円 概算要求へ(2020年9月19日)(YouTube版)

「アルテミス計画」は、アメリカが主導して月を周回する、新たな宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設するほか、2024年に再び月面に宇宙飛行士を送り、その後も継続的に月探査を行う国際的なプロジェクトで、日本も参加することになっています。
文部科学省によりますと、日本人宇宙飛行士は現在7人いますが、平均年齢が51歳となっていて「アルテミス計画」で日本人宇宙飛行士が月面に降り立つことが想定される2020年代後半には、半数近くの飛行士が定年を迎えるということです。


なお月にも水があることが判明してます。意外と住みやすいかも?

【精神医学】~rTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)とは~

経頭蓋磁気刺激法(Wikipedia)より
反復経頭蓋磁気刺激法:rTMS (Repetitive transcranial magnetic stimulation) と略される。

まずは一気に参考サイトの資料・画像など紹介。
解説・まとめは最後に。


TEIJIN Medical Web NeuroStar TMS 治療装置
経頭蓋治療用磁気刺激装置/承認番号 22900BZI00029000



NeuroStar Mechanism of Action(YouTube版)


医療法人東横会たわらクリニック TMS治療(磁気刺激治療)について より


背外側前頭前野の主な機能
・判断、意欲、興味をつかさどる
機能が低下することでやる気がなくなる

・扁桃(へんとう)体のバランスを整える
扁桃体は、不安や悲しみ、恐怖、自己嫌悪などの感情をつかさどる部分です。
扁桃体のバランスが崩れ、機能が低下することでこれらの感情が強く出てしまいます。

現代の医学では、この背外側前頭前野の活動が低下し、逆に扁桃体が過剰に活発し反応する状態を、うつ病のメカニズムと考えています。



前頭前野

inAIR、AI採用ソリューション
“AIコンピテンシー検査のゲームに活用された脳神経科学技術とは?”
より


(なんかよく分からん謎企業のwebサイトだけど、脳の図だけは医学系サイトよりも綺麗だった)



うつ病 発症メカニズム
より

うつ病の発症には現在いくつかの仮説が提唱されています。
1960年代にモノアミン仮説という仮説が提唱されました。
しかし、その後、モノアミン仮説だけでは説明が難しいことがわかってきました。
そして、新たな仮説が提唱され現在に至っています。

・モノアミン仮説
・コルチゾール仮説(HPA系仮説:視床下部-下垂体-副腎系仮説)
・神経可塑性仮説(BDNF仮説)
・神経炎症仮説(ミクログリア仮説)

(上記サイト、各仮説を詳しく、分かりやすい図で解説しています。オススメ)


まとめ、解説

うつ病は頻度の高い疾患で、現代では「抗うつ薬」による内服治療が一般的に行われています。
…が、そもそも「なぜ、うつ病が生じるのか」という原因・メカニズムは完全には解明していない。「でもお薬効いてるじゃん」という(後付けな)事実を根拠として「モノアミン仮説」が支持されているが、今もなお「仮説」止まりのまま。(有力な仮説であれば、検証が進んでいくうちに”立証”され、確たる事実として受け入れられても良さそうなのですが…。)最近では、モノアミン仮説以外の仮設も提唱され、研究が進められています。(ちなみにウチは”炎症仮説”の研究がメインです)

rTMSは、うつ病を「脳の特定部位(前頭前野の背外側)の機能不全」による病気とみなし、磁気による刺激を与えることで症状改善をはかる、という治療法です。(べつに”モノアミン仮説に物申す新たな仮説じゃ!”…ってわけではないみたい。従来の仮説と矛盾しているわけでも無いですし。)

お薬だろうがrTMSだろうが、効く人にはバッチリ効くし、効かない人には全然効かないこともあります。何で効き目に個人差があるのか?そもそもうつ病とは何者だ?…まだまだ、分かっていない事の方が多いです。

いずれ研究が進めば、うつ病を「血液検査で診断」できる日が来るかもしれません。そして結果をもとに「あなたに効く治療法はコレ!〇〇週間で完治しますよ!」と言い当てることが出来るかもしれません。


私も、そんな未来を目指す医療従事者の一員。
今後も臨床・研究がんばっていきたいと思います!(・ω・)

【お知らせ】rTMSの紹介ページを更新しました

当ホームページの最新医療・研究 > rTMS のページです。
日記と違いhtmlデータの更新なので結構大変だった。(誤字脱字、段落ズレとか無いだろうか、大丈夫だろうか)


変更点として、

・昨年までは「臨床研究として」rTMS療法を行ってきましたが、現在は「保険診療として」行っています。
・治療3週間目で効果判定を行い、継続の可否を決めることになりました。

など。