医局日記

【佐賀ネタ】~佐賀県の原子力防災~


佐賀県庁 政策部 危機管理防災課 より

佐賀県在住の方に、問題。
[ ]を埋めてみよう。

・佐賀県の原子力災害対策重点区域は[ ]町、[ ]市、[ ]市である。
・PAZ(Precautionary Action Zone:予防的防護措置を準備する区域)は、「原発で事故が起きた場合、[ ]する区域」のことであり、原発から[ ]km以内の地域である。
・UPZ(Urgent Protective action planning Zone:緊急防護措置を準備する区域)は、「[ ]に応じて、[ ]を行う区域」のことであり、原発から[ ]km以内の地域である。
・原子力災害時には、大気中に[ ]が放出され、大量に摂取すると[ ]を発症することがある。[ ]を服用することで予防できる。(ただし[ ]のある方は服用できません)
・原子力発電所の事故進展状況は[ ]段階あり、それに応じてPAZ、UPZごとの対応が決まる。
・UPZにおいては、[ ]μSv/時を超えた地域は1週間以内に退避、[ ]μSv/時を超えた地域は1日以内に退避。
・屋内退避のとき、換気扇は[ ]。エアコンの使用は[ ]。

上記、全て回答できた方は今回の記事読む必要なし。
では解説。





佐賀県 原子力防災のてびき

20201023_01
原発事故がおきたとき…
PAZ(5km圏)は「すぐに避難準備」する地域。
UPZ(5~30km圏)は「測定される放射線量」に応じて「屋内退避or避難準備」する地域。
上記30km圏内に含まれる玄海町、唐津市、伊万里市の全域が「佐賀県の原子力災害対策重点区域」である。


20201023_02
大気中に放出された「放射性ヨウ素」を摂取すると、内部被ばくにより数年から数十年後に甲状腺がんを発生させる可能性があります。放射性ではない安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)を予防服用することで、甲状腺の被ばくを防ぐことができます。ただしヨウ素に対し、過敏症の既往歴(要するにアレルギー)のある方は服用することができません。
※注意
・安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素以外の放射性物質には全く効果はありません
・服用量は必ず守ってください。(多く飲んでも効果は上がりません)
・服用の判断は、避難指示等とあわせて、国の原子力規制委員会が行います。

され


20201023_03
原発の状況、放射性物質が漏れたか、実際に放射性物質が測定されたか、によって事故進展状況を国が判断。
上記三つの区分がありますが、状況によって変わることもあるので「国、県が発信する正しい情報」に従ってください。


20201023_04
事故発生時、5km圏は直ちに避難が基本ですが、それ以外の地域においては「測定された空間放射線量率」で判断します。
500μSv/時を超えた場合は避難を急ぐべきですが、「ギャー死ぬー!」と慌てる必要はありません。

20201023_05
CTスキャン1回で6900 μSvも被爆してるんです。500μSvごときなら12時間居座っても大して変わらん。


屋内退避

20201023_06
気密性が第一!換気扇は勿論、ドアや排気口などのスキ間を塞ごう。


DAIKIN エアコンはどうやって部屋をすずしくするの? より

エアコンと室外機の中は完全に密閉されており、熱を交換しているだけ。
外からゴミとか虫とか入ってくることは絶対に無く、放射性物質も同様。
なのでエアコンを使うのは全く問題ありません。ご安心を。


まとめ

佐賀県は原子力発電所を持つ県なので、最悪の事態に関する知識は有しておきましょう。県民としての義務教育である。
なお有事の際は、主要な道路が渋滞・封鎖される可能性がある。「原子力防災のてびき」の最後の方に、避難経路マップがあります。30km圏内の重点区域にお住まいの方、重点区域に親戚・友人がお住まいの方は、避難経路・合流地点などを確認しておきましょう。
そして災害発生時において最も大事なことは「正確な情報」。必ず、国・自治体の発信する情報をもとに判断・行動してください。

以上。