rTMS療法

rTMS療法をご希望の方へ

現在の主治医の紹介状が必要となります。紹介状を頂いた後、お電話にて診察の予約をして下さい。担当医が詳細を問診した上で、rTMSを行うかどうかを決定します。大うつ病と診断されている患者が対象ですので、双極性障害をはじめとした大うつ病以外の診断の患者はrTMSには適応しない可能性があります。

なお、rTMSに関しての電話での一般的な問い合わせにはお答え出来ません


医療関係者の方へ

rTMS療法を希望の方の紹介状をお願い致します。不明な点等ございましたら、精神神経科医局までご連絡下さい。




rTMS療法について

要点

  • 現在かかりつけ病院においてうつ病の診断をされていることが必要 (双極性障害など他の気分障害は不可)
  • 当科への紹介状が必要
  • 入院加療のみ
  • 保険診療ではなく、研究として行っています
  • 刺激は6週間
  • 入院期間は前後の検査を合わせて約8週間
  • 費用は通常の精神科入院と同程度です。
  • 原則4人大部屋
  • 当院の治療効果は約4割
  • 適応は当科外来で判断しますので、受診後、適応にならない場合があります

本文

佐賀大学医学部附属病院では2013年より、うつ病治療の最新治療装置である反復性経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation 以下、rTMS)装置を使った研究を行っています。

rTMSとは、8の字型のコイルに電流を流すと周囲に磁界が発生し、その作用で脳の局所に微弱な電流(渦電流)が生じます。それにより脳の神経細胞を刺激して機能を調整します。

精神科領域では前頭前野という脳部位をrTMSで刺激することによりうつ症状を改善する効果があると言われています。

rTMSは安全で副作用が少なく、薬物療法の効果が十分でないうつ病の患者さんを対象として薬物療法と同等の有効性が確認されました。アメリカやカナダなどではうつ病に対する治療法として保険承認を受けています。その理由は、薬物治療抵抗性うつ病の患者さんに対して薬物治療と同等の効果を示したことと、重篤な有害事象を認めなかったからです。日本においても、2019年6月にNeurostar TMS装置によるうつ病治療が保険適応となりました。

当院精神神経科においては、保険診療としてではなく、うつ病の患者さんを対象としてrTMSの有効性の確認と、神経画像、脳波、血液、及び唾液中バイオマーカーを測定し、その作用メカニズムを探索する臨床研究を行っています(大うつ病と診断されている患者が対象ですので、双極性障害をはじめとした大うつ病以外の診断の患者はrTMSには適応しない可能性があります)。

rTMSは入院下のみで行い、全例実際の刺激を原則6週間受けて頂きます。入院期間は前後の検査を含めて約8週間で、原則として4人大部屋での入院となります。精度の高い刺激を行うために、ニューロナビゲーションシステムという装置を用いて、刺激する場所を正確に定めながら刺激を行います。

rTMSは侵襲が少なく安全な手法でありますが、rTMSと関連した合併症として頻度が高いものとして、頭皮痛が挙げられます。これはrTMS刺激が頭皮や顔面の筋肉を収縮させることによって、刺激部位周囲に感じる痛みですが、痛みは刺激中のみであり特別に心配はいりませんし、慣れの効果によって痛みは軽減します。また、(筋緊張型)頭痛と首の痛みを挙げることができますが、これらの症状は一過性であり、通常の鎮痛剤によって改善することができます。頻度は大変少ないですが、けいれんを誘発する危険性があります(患者さん1人あたり0.1%未満と言われています)。

rTMSの絶対禁忌としては、頭蓋内の磁性体(口腔内は問題ありません)と、ペースメーカーなどの体内埋め込み式医療機器が挙げられます。相対禁忌として、てんかんや頭部外傷、妊娠などがありますが、担当医が詳細を問診した上で、rTMSの適性を判断いたします。

以上のように、rTMSは、副作用が少なく、非侵襲的であり、うつ病治療の選択肢の幅が広がる事が期待されます。

当科ではrTMS治療開始から6年弱で、34例を既に実施済みです。薬物治療で効果のなかった難治性気分障害の方に対して、約4割の方で効果が確認されています。

尚、当科でrTMS治療を受けられる場合は、紹介状が必要となります。また、rTMSに関して電話での一般的な問い合わせにはお答えできませんのでご了承下さい。

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