医局日記

【医学雑誌】~脳科学、functional MRIについて~



精神療法 第46巻4号 脳科学と精神療法

なかなか興味深いテーマだったので紹介。
精神科は「こころ」を扱う科ですが、「こころの活動」と「脳の活動」の関係については未だ研究途上。
雑誌の冒頭から「このような挑戦的な特集があっただろうか、しかも本誌『精神療法』における特集だ、ちなみに筆者が道場破りの如く編集委員会に殴り込んだわけではありません」とロックンロールな表現。
(この雑誌に限らず、精神科系の医学雑誌、どれも文章が個性的で面白く、読みやすい。)
(文章を書いたり読んだり、いっぱい話したり聞いたりする専門家ですからね、精神科医ってのは)

精神療法を実施したときの脳の働きの変化を調べることで、「改善した・してない」を可視化する試みや、
患者さんに「この部分が活性化してますねー」と実際に見てもらうことで実感を与える”ニューロフィードバック療法”の紹介
ニューロフィードバック療法
ヒューマノイドロボットを用いた、自閉スペクトラム症の人へのカウンセリング

などなど興味深いテーマが纏まっています。最新の知見って感じの特集ですね。


fMRIとは何ぞや


で、この特集において「fMRI」を用いた研究ってのが頻回に出てきます。
こいつが何者か、一応解説。

脳循環代謝オンラインジャーナル(日本脳循環代謝学会)
Functional MRI(機能診断とその応用) 井上敬,小川彰 (脳循環代謝 16:152~158,2004) より

血液にはヘモグロビンが含まれており、これはMRIの磁力で捉えることが出来ます。
血流が増加したかどうかを見ることで、脳が活性化しているかどうかが分かるのです。
(脳代謝による還元ヘモグロビンが、血流増加部位においては相対的に減少し、T2*強調画像で高信号となる)

様々な研究が積み重なり、徐々に
”特定の感情と関連する脳の部位”とか”特定の行動をコントロールしている脳の部位”などが分かってきています。

ただし脳血流増加=脳活性化、という前提が常に正しいという保証はないので、そこは注意。
画像解析・解釈においてはソフトウェア面の技術も問われます。これからもたくさんのデータを集めていく必要あり。


おまけ ~とある先輩研究者からのオススメ書籍~

(・ω・)画像解析の研究、面白そうです。何か入門書とかありますか?
(〇w〇)「プログラミングが必須。Deep Learningの基本は抑えておきたいところ」
(〇w〇)「プログラミングも数学も、全てゼロから教えてくれる最強の本がコレだっ」

ゼロから作るDeep Learning ――Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
斎藤 康毅 著 2016年09月 発行 定価3,740円
ISBN:978-4-87311-758-4


一応買ってみた。
Σ(・ω・)な、なんじゃこりゃああ!!?意味がわからん!

難しい!私の頭ではついていけん。
だが、挫けてたまるかッ


ゼロからやさしくはじめるPython入門 基本からスタートして、ゲームづくり、機械学習まで楽しく学ぼう!
著作者名:クジラ飛行机 書籍:2,541円
ISBN:978-4-8399-6469-6

ということで上記本も買った。こっちは読破できた。


後は数学への理解だ。数学が分からんとDeep Learningは勿論、画像解析研究の世界に辿り着けん。
勉強あるのみ。


以上。