医局日記

オンラインマラソン大会とは

いよいよ来週から外来が元の3階に戻ります。それに合わせて、泌尿器科さんと外来を供用する関係で外来日がこれまでの火・木・金曜から月・水・金曜に変わります。

患者さんには曜日と階数を間違えないようにお願いする次第です。

18日の日記にもあったように、医局員で新外来の見学に行きましたが…

入院受けをしていた私はまだ新外来は見ていません。


現在の私は病棟主治医で外来はやっていないので、外来スペースを使うこともほとんどないのですが、これから使う機会は来るのでしょうか(苦笑)


さて、マラソンシーズンに入ったはずですが、今年は例のあれの影響でことごとく中止またはオンラインでの開催になりました。今年の初めにほとんどのマラソン大会が注しになる中。唯一予定通りに開催という英断を下してくれた五島つばきマラソンにほぼ全てを賭けていたのですが…。


結論を言うと、大会自体はあります。ただし長崎県民限定で。

せめて佐賀県民には門戸を広げてくれなかったのか…と残念に思います。


代わりとして行われるオンラインマラソン大会ですが…正直言ってかなり微妙です。

まず、マラソン大会は当然のように一発勝負なのですが、オンラインマラソンは例えば2週間で42.195キロを走ればいいのです。6時間とか6時間半と言った制限時間の中で戦略を考えるのが、私みたいなギリギリ完走ランナーにとってはある種の楽しみなんですが、2週間で42.195キロは1日に30分も走れば楽勝で到達できます(もっとも当直に入ることも多いので毎日走るのは難しいのですが)。


そして何より、地元の景色と食事を味わえないことですね。

去年の五島つばきマラソンは一言で言って最高でした。

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そういえば、まだ今年の五島つばきマラソンの後編を書いていません。まあ、先行公開と言うことで(笑)

あとは、マラソン大会はみんなが走っているのに吊られて普段以上の力が出たりするものですが、オンラインだと1人でも走れてしまうので、つい自分に甘くなってしまうことですね(爆)


愚痴っても仕方がないことではあるのですが…、あー。走りたい。。。

【精神医学】~日本の精神医学の歴史~

わが国の精神科医療の歴史Ⅰ 明治初期まで 大雲寺 癲狂院

精神科医の西丸四方(にしまるしほう 信州大学教授1910年- 2002年)は、彼の有名な教科書 (精神医学入門 南山堂) で、わが国では古代から狂気の記載があるとし、須佐之男命興奮・乱暴して天照大神がもてあまして天の石屋戸(いわやと)に隠れたことを挙げています。確かに須佐之男命の逸脱行動はすさまじいです。わが国の歴史は精神病的な問題行動とともに始まったともいえましょう。アダムとイブの物語と対比させてみると興味深いと思います。


精神医学入門 改訂25版
ISBN978-4-525-38015-1
ISBN4-525-38015-2

各国の精神医学と歴史 日本

土田献の「癲癇狂(てんかんきょう)経験編」

癲癇狂経験編 / 土田献 著 公開者:早稲田大学図書館 (Waseda University Library)

日本最初の、精神疾患の専門書。1819年。(上記サイトで公開されています)


神戸文哉(かんべぶんさい,信州小諸)の「精神病約説」
近代日本精神医療史研究会
京都癲狂院:『京都における精神医学的散歩 2』 その3 <新シリーズ・小林靖彦資料 119>


日本最初の、西洋式の精神医学書(英語翻訳)。1876年。


呉秀三(Wikipediaより)

東京帝国大学医科大学教授(精神病学講座)。日本における近代的な精神病学の創立者。
母校教授のほか、東京府巣鴨病院の医長や病院長、初代松沢病院長等を歴任し、「日本の精神医学の草分け」と言われた。森鷗外との交流があったことも知られている。
『わが邦くに十何万の精神病者は実にこの病やまいを受けたるの不幸の他ほかに、この邦くにに生まれたるの不幸を重かさぬるものというべし』という一節は特に有名。この言葉に表れているように、座敷牢や拘束に頼りがちだった精神病患者への対応を調査・報告し、その改善に努めた。

きょうされん結成40周年記念映画 夜明け前 紹介ページ


東京都立松沢病院(Wikipediaより)
松沢病院の前身は、明治5年(1872年)に東京府本郷に設置された養育院に始まる。その目的は、明治政府樹立後の内戦や廃藩置県による混乱によって生まれた浮浪者や行き場のない病人を収容することにあった。収容者を調査した結果、120人中68人が精神疾患者であることが判明。
1879年、東京府癲狂院(とうきょうふてんきょういん)として建てられた。初代院長は長谷川泰。
1901年に呉秀三が病院長となり、様々な病院改革を進めた。

現在は東京都(病院経営本部)が設置・運営する病院のひとつであり、精神科専門病院であるとともに他の各診療科を備えた総合病院となっている。
(Webサイト)


石田昇(Wikipediaより)

日本の医学者、精神科医。呉秀三門下生のひとり。
1899年に東京帝国大学医科大学に入学、1903年に卒業後、巣鴨病院(後の松沢病院)内にあった東京帝国大学精神病学教室の助手となり、29歳で『新撰精神病学』を執筆。31歳で長崎医学専門学校(後の長崎大学医学部)精神病学科の初代教授に就任。日本の精神医学の草創期に第一人者として活躍した。Schizophrenieを初めて「分裂病」と訳したのも石田である。
1917年(大正6年)には文部省留学生としてアメリカのジョンズ・ホプキンス大学に留学。この留学中に自らが精神を病んで妄想に侵されるようになり、同僚のアメリカ人医師ジョージ・B・ウルフ(George B. Wolff)をピストルで射殺。アドルフ・マイヤーの鑑定で終身刑に減刑され、1919年からメリーランド州立刑務所で5年間服役。1925年(大正14年)には日本に送還されて松沢病院に入院。その後回復することなく、1940年(昭和15年)に肺結核の悪化により松沢病院内で死亡した。
後の日本の精神医学界に多大な影響を与えたことは事実であり、中でも開放治療と作業療法を早くから実践した歴史的功績は大きい。


精神神経学会の誕生

学会概要 より

日本神経学会という名称で1902年に、精神医学の呉秀三と内科学の三浦謹之助の2名が主幹となり、会員数約200名で発会した。その後、1935年に会の名称に精神を入れ、「日本精神神経学会」と改称し、機関誌名も「精神神経学雑誌」と改めた。1946年に社団法人、2013年に公益社団法人となり、現在に至っている。


まとめ

基礎教養として知っておいて欲しい先人、本、病院、などについて紹介いたしました。
精神医学の歴史としては、やはりヨーロッパ圏の方が長く、深い。日本ではドイツ・オーストリア式の精神医学を教わるかたちで普及し、戦後はアメリカ式が主流となり、現在に至っているようです。

ちなみに精神科専門医を目指す方、西洋精神医学の歴史は必ず勉強しましょう。単なる教養としではなく、現代まで通ずる理論として、臨床に直結する重要な知識だからです。専門医試験に毎年必ず出ます。


以上。



【医療倫理】~同意能力について~


臨床精神医学 第47巻第1号 特集/精神科診療・研究に役立つ実践的倫理
精神疾患患者の同意能力をめぐって (東京大学)瀧本 禎之 より


同意能力(competency)

同意能力の前提には判断能力(mental capacity)が存在する。
判断能力は「説明を理解し、自分の価値観に照らして、提案された医療を受けるか否か理性的に決定できる能力」と定義される。

判断能力は精神心理学的な意味。
同意能力は法的な意味。

ただし「判断能力がある=同意能力がある」とは限らないため注意。
(代表的な例としては未成年者。)


判断能力

4つの能力から構成される。

・意向の表明(expressing)
自らの意向を他者に伝える能力。口頭でなくても伝わればOK。

・情報理解(understanding)
与えられた情報を理解できているか否か。医療の場合は情報が多く複雑なため、ある程度の「短期記憶」能力が必須

・情報認識(appreciation)
情報の重要性(状態、選択肢について)を認識し、自らに関連づける能力
例えば「あなたは重度の糖尿病で、既に足の壊疽が生じてます!切断しないと命にかかわります!」と説明されても、「糖尿病で足が腐ることは知ってるけど、私の場合はただの汚れです」と主張する場合。理解した情報を自らに関連づけ出来ていない。
別の例では「手術しなければ助かりませんが、それでも成功率は10%です」と説明されて、「私は特別な存在だから100%成功します!お願いします!」と手術を希望した場合。これも認識が障害されている。

・論理的思考(reasoning)
例えば重症のうつ病患者が「死にたいから治療は受けない」と言い医療保護入院となったが、電気けいれん療法の説明を受けて「頭に電気を流されたら死んでしまう!嫌です」と断った場合。死にたいから治療拒否→治療を受けたら死ぬから拒否、は矛盾している。論理的思考ができていない、と判断される。


判断能力の評価方法

TCF(Two-part Consent Form)
CIS(Competency Interview Schedule)
MacCAT-T(MacArthur Competence Assessment Toot-Treatment)
SICI-ATRI(Structured Interview for Competency and Incompetency Assessment Testing and Ranking Inventory)

の4つが紹介されていました。MacCAT-Tが最もメジャーみたい。


判断能力の喪失

全般的無能力と特定的無能力に分けられる。

全般的無能力
高度な認知症、知的障害、せん妄状態など、理解力が全体的に低下した状態。

特定的無能力
特定の判断能力が障害されているが、ほかの事柄に関しては判断能力を有している状態。例えば「虫歯の治療」については理解できても大手術など複雑な内容だと理解できなかったり、「毒を入れられる!」との妄想で点滴のみ頑なに拒否する場合など。
精神疾患患者においては、こうした特定無能力が発生しやすいと考えられるため注意が必要である。


判断能力評価のポイント

重要なポイントは3つ。

・判断能力が怪しい場合、「障害されていることを証明」する必要がある。
それまでは「判断能力がある」とみなすべき。

・判断能力の有無は「0か100か」で考えず、スケール(●●%、●割)で考える
治療の内容を理解することができなくても、「どんな生活を送りたいか」といった価値観を表明することは可能かも。最大限、患者の価値観を意思決定に取り入れるべし。

・判断能力の有無は「相対的に決まる」。たとえば小児が「化学療法の必要性」について意思決定するのは困難でも「血液検査させてね」には応じてくれたり。治療内容拒絶(リスクの理解)か、同意(メリットの理解)か、によって必要な判断能力は異なってくる


判断能力を喪失していたら…

最善の利益(Best Interest)= 医学的な利益 + 患者固有の価値観に関する利益

患者固有の価値観に関する利益とは、たとえば「自分の健康よりも家族が大事。家族に負担をかけたくない」など。
ただし精神疾患の場合、症状のため「病的な価値観」となってしまうことがある。それを尊重するわけにはいかないので、逆に患者の同意なく強制的に医療を与えることが、患者さんを守る、社会的な責任。



以下、補足資料など


学会発表資料 > 2019年6月30日発表資料 のページにMacCAT-T日本語版が紹介されています。
20201119_01



医療・介護分野における意思決定について 2019年11月10日(pdf形式)

20201119_02

質問の具体例あり、とても分かりやすく纏まっています。



精神科医療倫理 精神科医療における治療同意と同意能力

精神科医療における事前指示(Psychiatric Advenced Direcitve)

自分が有効な意思表示ができなくなった場合を想定し、あらかじめその際の医療等について要望をまとめておくものを事前指示AD(advance directive)といいます。これを精神科医療においても作成、利用しようというのが精神科事前指示PAD(psychiatric advance directives)です。ただ、日本では未だ法的制度にはなっていない。

上記サイトにて、本人の気持ちや希望を確認をする”覚えがき”ツールとして「LIME(Letter of Intent for Mental Health Emergency)(pdf形式)」が紹介されています。

20201119_03

患者さん向けに作られているので、とっても丁寧。



総合病院精神医学/26 巻 (2014) 4 号
精神疾患患者における身体的治療の同意についての問題提起 ─特徴的な4症例を通して─

pdfデータ。無料で読めます。
症例 A:妄想に支配され手術に同意が得られなかった症例」「 症例 B:妄想に支配された言動はあったが手術の同意が得られた症例」「 症例 C:妄想に支配され化学療法の同意が得られなかった症例」「 症例 D:うつ病の治療後に化学療法の同意が得られた症例」4つの症例報告。
これも是非読んで欲しい。著者の先生たち、悩みに悩んでの決断だったんだろうな…


まとめ

論文をさっくり紹介するつもりが、私自身の勉強不足を痛感。色々資料を漁った結果、やや長い記事になってしまった。恐縮です。
そもそも人の意思決定、同意能力…簡単に判断できるわけがない。だが、きちんとポイントを整理して検討すれば、答えに近づくことは出来るハズ。表明・理解・認識・論理、の4つのポイントに注意し、0か100かで考えず、どんな時でも「患者固有の価値観」を大切にするよう、心掛けていきましょう。


以上。


【医局会】~外来お引越し準備など~

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【試験監督】

(´=ω=)「残念ながら…再試験者が出ました。というわけで追加で試験監督が必要になりました」
(´-ω-)「うーん仕方ないですね。再試の学生さん、何人でしょうかね」
(´=ω=)「(※秘密)人です」
「何ぃ」「そ、それは」「それは逆に凄い」
(´=ω=)「お手数ですが試験監督、溝口先生にお願いします」
(´-ω-)「んぁ、私ですか。わかりました」


【見学者】

(`・ω・)「今日、九州大学の先生が見学に来てます。rTMSの勉強目的です」
(・w・)「よろしくお願いしまーす」


【新人歓迎会】

(`・ω・)「入局予定の研修医の先生方の専攻医登録、全員分、確認完了。立石くんお疲れでした」
(´=ω=)「いえいえ」
(`^ω^)「で、歓迎会、いつやりましょう?」
(´=ω=)「あー…コロナ対策での”会食は10人まで”制限、まだ続いているのでそこは忘れずに」
(`^ω^)「開催禁止というわけでないなら是非、少人数の若者達で!僕ぁ若くないけど(笑)」


【外来お引越し準備!】

(´-ω-)「外来部門より、先週予告してた通り、今日のお昼に新外来棟の見学に行きます。皆さんもぜひ一緒に。」
(`・v・)「新たな間取り図貰ってきたのでお配りします。見ての通り診察室は6つ。後で割り振りを考えましょう。」
(`・v・)「ちなみに精神科だけの診察室ではなく、別の曜日には泌尿器科さんも使います。僕としては、心理検査の道具の置き場所の問題があるので、診察ベッドの無い部屋が欲しいのです…スペースが限られてまして。」
(`・ω・)「うん、泌尿器科さんに相談してみましょう!」
(`・ω・)「あと今日来てる九州大学の先生にも、せっかくだから案内しちゃいましょう!」
(・w・)「ありがとうございまーす」


【いざ、外来見学、引っ越し準備】

(´-ω-)「皆さん揃いましたね。では外来、行きましょう」
(`^ω^)(´・∀・)(・ω・)(´_ゝ`)( `-ω)「「はーい」」
……

「おお綺麗」「すごいエスカレーターがある」「外壁がお洒落なデザインですね」「トイレはどこだ」

(`^ω^)「…ところで肝心の診察室、なんか狭くね!?
(´-ω-;)「あー、ちょっとパソコンとプリンターの配置が悪いですねコレは」
(`^ω^)「どうしましょ、勝手に動かして良いのかな」
(´-ω-)「確認しますね」
(´-ω-)『…もしもし、管理課の●●さん、…はい、…ええ、それで…わかりました。』
(´-ω-)「えっと、あの、『自分達で好きにやってください』とのことでした」

(`・ω・)「遅れたけどお待たせ!おお、ここが新しい外来かー」
(`・ω・)「んー、診察室、なんか狭くない!?
(´-ω-)「実はかくかくしかじかで…」
(`・ω・)「よし、早速作業にとりかかろう!パソコンは反対側に、プリンターはこっちに、各自、それぞれの診察室のレイアウトを変更しましょう!」
(・ω・)(`^ω^)(´・∀・)「「「よっしゃ!」」」


【おまけ】

泌尿器科さんと診察室を共有することになりました。というわけで
佐賀大学泌尿器科さんのwebサイトを偵察してみよう!
(偵察は6月16日の記事以来でござる)


佐賀大学医学部泌尿器科講座

20201118_01

Σ(・ω・)おお、かなりハイレベルな、理想的webサイトじゃないか!

・項目が纏まっており、見たい情報に直ぐ辿り着ける設計
・患者さん向け、学生さん向け、専門職向け、きちんと整理されている
・画像データ量が必要十分。多過ぎず少な過ぎずバランス良い
・スタッフ紹介写真がgood。親しみやすい雰囲気が感じられる
・更新頻度も適切。月1回ペースで更新されておりactiveさが伝わる。

これ、医局紹介用のweb設計としてはお手本クラスの完成度だと思う。とても良い、うん。


その他の診療科ホームページも偵察してみよう!

佐賀大学医学部附属病院 診療科・診療関連部門

…と思ったけど流石にやりすぎ感があるので今日は止めておこう。
時間があるときに見比べてみると面白いかも。


以上。

【教授の音楽療法】~人生の応援歌1~

(`・ω・)「新作だよ!」
(・ω・)キター!


人生の応援歌1

コロナ、コロナといつまで続くのか先の見えない不安な社会情勢の中、我が国では過去十数年間減り続けていた自殺者数が令和2年7月から対前年同月比増加に転じたと報告されています。「こういう時だからこそ、明るく前向きに行きましょう!」とマインドを変えたいものです。エディ・バンヘイレンの追悼号で彼らの楽曲の「Cant’ stop loving you」を人生の応援歌のようだと紹介しましたが、その昔、水前寺清子さんが「365歩のマーチ」という曲を歌っています。50年以上前の1968年、昭和の時代のヒット曲ですが、時代を超えた真理を歌っているように思います。

しあわせは 歩いてこない
だから歩いて ゆくんだね
一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる
人生は ワン・ツー・パンチ
汗かき べそかき 歩こうよ
あなたのつけた 足あとにゃ
きれいな花が 咲くでしょう

という訳で?洋楽紹介をします。産業ロックの雄(最早、死語である「産業ロック」の解説はいずれします)であるJourneyの「Don’t stop believing‘」から。Who’s crying now,Open arms, Lights, Lovin touching squeezing, Any way you want it など佳曲など彼らの佳曲は多いです。

小さな町の孤独な少女 真夜中の列車に乗りどこかへ行った
サウスデトロイトで生まれ育った都会の少年 真夜中の列車に乗りどこかへ行った

ワインと安っぽい香水の匂いが漂う煙たいお店で歌を歌う娘
笑みあって夜を分かち合う そうして時は過ぎていく…
誰もが求めているんだ 大通りのあちこちで
彼らの影は夜に居場所を探しているんだ
街灯の下で彷徨う人々は生きている意味を探してる
夜のどこかに隠れていると信じて…

生きていくために必死で だけどみんな希望の光が欲しいんだ
何だって支払うさ もう一度サイコロを振れるのなら
ある人は勝ち、ある人は負ける
またある人はブルースを歌うために生まれるんだ
それぞれの人生に終りなんてない どこまでも続いていくのさ…
信じることをやめないで 自分の気持ちを強く持ち続けて
街灯の下で彷徨う人々のように
信じることをやめないで 自分の気持ちを強く持ち続けて
街灯の下で彷徨う人々のように
決してやめないで!

ベタな歌詞内容かもしれませんが、

Some will win, some will lose
ある人は勝ち、ある人は負ける
Some are born to sing the blues
またある人はブルース(哀しい歌)を歌うために生まれるんだ

のくだりなどいいですね。

JourneyはSantanaバンドにいたギタリストのニール・ショーンを中心に1970年代にサンフランシスコで結成されたバンドで1980年代に人気のピークを迎えましたが、現在もメンバーを替えながら活動中です。Don’t stop believing‘のヴォーカルはハイトーンボイスのスティーブ・ペリーで彼がJourneyの黄金時代を作り上げたと言ってもいいでしょう。心身的問題から1998年に彼がバンドを辞めたあとは、スティーブ・ペリーの穴を埋める人材に苦労したのですが、2007年にフィリピン人のアーネル・ピネダを迎え、再始動しています。彼はフィリピンのマニラで極貧の路上生活を経験し、その後長らくバンドマンとして生活していた時に、スティーブ・ペリーを彷彿とさせる実力を偶然ニール・ショーンに見出されています。サンフランシスコでの入国審査の時に審査官に入国目的を聞かれ、その場でJourneyのWheel in the sky(これも佳曲です)を歌って入国を許可されたそうです。出来すぎた話?ですが、まさにDon’t stop believing‘ですね。


Journey – Don’t Stop Believin’ (Escape Tour 1981: Live In Houston)
スティーブ・ペリー在籍中のライブツアーから


Journey – Don’t Stop Believin’(Live In Japan 2017: Escape + Frontiers)
最近の日本ツアーから。アーネル・ピネダはスティーブ・ペリーに負けていませんね。


The Cast Of Glee – Don’t Stop Believing – X Factor Semi Final (FULL HD)
挿入歌として使われたテレビドラマ「Glee」のメンバーが歌うバージョンです。

動画4:The bride sings Don&#39;t Stop Believing at her own wedding// Dave Thomas, ASC- All
Set Creations


The bride sings Don’t Stop Believing at her own wedding// Dave Thomas, ASC- All Set Creations
花嫁が結婚式で自ら歌うバージョン。「知らないかもしれないが、my little girlはとても美しい声を持っているんだ」と父親が紹介します。夫はサウスデトロイトでなく、ボルチモア出身のようです。歌が終わった時にマッチョでイケメンの夫が彼女を迎えます。いいシーンですね。


(・ω・)人生の応援歌”1”ということは…
(`・ω・)「第二弾も作成中。こうご期待!」


バックナンバー

【教授の音楽療法】第1回 ~深紫伝説、湖上の煙~ 2020.06.18
【教授の音楽療法】第2回 ~Rocket Man~ 2020.06.19
【教授の音楽療法】第3回 ~POLICE~ 2020.07.07
【教授の音楽療法】第4回 ~生まれは”猫年”~ 2020.07.16
【教授の音楽療法】第5回 ~イパネマの娘~ 2020.07.23
【教授の音楽療法】第6回 ~二人のロックレジェンドに愛された女~ 2020.08.06
【教授の音楽療法】第7回 ~(続)二人のロックレジェンドに愛された女~ 2020.08.18
【教授の音楽療法】第8回 ~ダメ、ゼッタイ!~ 2020.08.25
【教授の音楽療法】第9回 ~天は二物を与えることもある~ 2020.09.01
【教授の音楽療法】第10回 ~今度は真面目に映画音楽紹介?~ 2020.09.03
【教授の音楽療法】第11回 ~白日夢 daydream~ 2020.09.15
【教授の音楽療法】第12回 ~Torch Songs~ 2020.09.29
【教授の音楽療法】第13回 ~巨星墜つ!!~ 2020.10.08
【教授の音楽療法】第14回 ~相関研究と経時的研究~ 2020.10.15
【教授の音楽療法】第15回 ~お洒落な感じと言えば、、~ 2020.10.29

【精神医学】~リカバリーとは~


英和辞典・和英辞典
recoveryとは

主な意味 取り戻すこと、回収、(経済状態などの)回復、復旧、修復、回復、全快、(権利・財産の)回復


精神科領域で重要な言葉である、「リカバリー」。
従来の”病状回復”とは異なる概念ですので、解説いたします。

NHKハートネット 福祉情報総合サイト
統合失調症からの回復 (監修:東京都立松沢病院 岡崎祐士院長)

最近、統合失調症のご本人や支援者の間で、リカバリー(recovery)ということばが盛んに使われるようになりました。ぴったり当てはまる日本語のことばがないので、そのままカタカナで使われています。
リカバリーとは、「精神障害のある人が、それぞれ、自分が求める生き方を主体的に追求すること
リカバリーの目的は、症状をなくすことではありません。治療によって症状を和らげることはもちろん必要ですが、何より大切なのは、本人が、こういう生活がしたいという夢や希望を持ち、それを周囲が支えることです。たとえ統合失調症の症状が残っていても、症状とうまくつきあいながら、学校に通ったり、働いたりしている人は少なくありません。結婚・子育てをしている人もいます。誰にでもリカバリーは可能なのです。

リカバリー(Recovery)

リカバリーに関連する概念は欧米における1960・70年代の脱施設化や当事者運動の中で徐々に育まれ、1980・90年代から主に米国で具体的に「リカバリー」という言葉で言及されはじめました。21世紀になってから欧米を中心に徐々に国際的な広まりをみせ、2010年代ではリカバリームーブメントとして精神障害者支援における世界的な潮流となっています。
このように世界中の支援者/専門家に広まったリカバリーですが、「リカバリー」という言葉自体は非常に多義的です。そのため、最近ではリカバリーを「臨床的リカバリー」と「パーソナル・リカバリー」という区分でわけて整理しています。


リカバリーにおいて医療者が気を付けるべきこと


精神科研修ノート 改訂第2版
ISBN9784787821904

周囲がどうさせたいか、ではない。本人がどうありたいか、である。
精神障害を有する人は、1人の人間というよりは「治療や支援の必要な人(患者さん)」として扱われてしまうことが多かった。
精神障害を有する人は医療を強制されることもある。しかし、どのような状況の治療であっても、本人の意見や意思を聞く姿勢を示すこと。
リカバリーは人それぞれであり、リカバリーへ向かうかどうかも本人が決めることである。~するべき、~するのが幸せなはず、という価値観で関わるとリカバリーの押し付けになってしまう。

人には元来力が備わっており、困難に出会ったとしても、状況を柔軟に乗り越えていくことができる
経験の機会を本人から奪わないことも重要である。


まとめ

このリカバリーという概念、学生さんや若手医師にとっては「普通のことじゃん」と感じるかもしれません。患者さんの意思・権利を尊重するのは医療従事者として当然の義務ですからね。しかし精神科においては、こうした当たり前の感覚、を特に意識しておく必要があります。強制的な入院も有り得る精神科医療においては、時に本人置き去りの治療となってしまう恐れがあるからです。

「症状を治す」のではなく「うまく付き合う」という考え方、大事です。

概念ってのは理解が難しい。まずは意識することから。
「これはリカバリーとして、どうかな?」と意識しながら言葉を交わしていきましょう。


以上。

【雑学ネタ】~速読術ならぬ多読術~

東洋経済ONLINE 「速読しないで多読する人」の超合理的なやり方 2020/02/20

・「本選び」から。
パッと見て、知りたいことが書かれているからじっくり読んだほうがいいな、すでに知っている内容だからサッと目を通すだけで十分だ、これは目を通す価値すらない……。そうやって「選ぶ力」が身に付けば大幅な時間短縮が実現できます。

・読む情報を絞り込む
あなたが手に入れたい知識、あるいは達成したい目標を決めて臨みましょう。注目するポイントは、表紙(カバー)、帯、目次、そして1つの章です。

・導入と結論
その本の概要や概論を知りたければ、「導入と結論」を読めば要点はつかめるからです。結論部分は、たいてい「しかし」や「つまり」などの接続詞の後に著者の伝えたいメッセージとして書かれている場合が多いです。
「全部頭に入れたい」というようなすばらしい本は、何回も熟読すべきなので、そもそも「速読」の対象外です。

・そもそも「読まなくて良い」のかも
基礎知識を十分に身に付けていると、「読むべき本はそんなにない」という事実にも気づきます。
ある程度読み慣れたジャンルの本を目的に応じて読む場合、精読するべき場所は1冊につき、7%から11%くらいしかないという研究データもあります。
本は、最初から最後まで読まなければいけないものだという思い込みを捨て、本には読むべきポイントと読み飛ばしてもいいパートがあると知ること。そして、その見分け方を身に付けることが大切なのです。


以下、補足。

・頭の中で「声に出して読む」はNG

文字を目で追いながら、頭の中で声に出して読むと、1分間に300字程度しか進まない。
「目で読む」を習得すると、1分間に1000字超、3倍のスピードになる。


全体像の把握が最優先

最初から一語一句、丁寧に読み進めるのはお勧めしない
まず、ザーッとページめくる。「どんな事が、どのあたりに書いてあるか」を把握する。
読んでいて分からなくなっても「この後で解説があるから進めよう」「いったん、前の章に戻ろう」と素早く判断できる。


読んだ人に教えてもらう

反則じゃないか!…と思うかもしれないが、実際これが一番効率が良い。
紹介された本を買って読む。既に読んだ人に要点を教えてもらう。これも立派な多読術。



(`・ω・)「この論文コピーして、みんなで読んでおいてね!」
…ウチ教授を観察していると、読むのが滅茶苦茶速く、かつ「論文探し」「本選び」が本当に上図と感じます。
読むのが速いから沢山の論文・本に目を通せるし、沢山目を通すから要点・トピックを拾いやすくなり更に読むのが速くなる。

よっしゃ私も読もう、読みまくろう!
以上。


植物系がブームなんですかね。

昨日、ネットでニュースを見ていたらこんな記事がありました。

「ミロ」がどこにも売ってない? SNS人気から全国的な品薄に ネスレ「大人の飲用が広まっている」


(ネスレ日本ホームページより)

スクリーンショット (18)

左のネスレ ミロ オリジナル240gの方が全国的に品薄状態なのだとか。


ミロ…懐かしいですね。小学校の時はほぼ毎日飲んだ記憶があります。甘いのが好きなので、説明書の倍量入れて飲んだりとかしました(笑)

そして、中学に入ったらパッタリ飲まなくなりました。


ミロと言えば幼稚園児や小学生向けの飲料というイメージでした。実際私がそうだったですが、最近は大人が飲むことも広まっているそうです。


ミロは麦芽飲料ですが、最近は高野豆腐、大豆ミートといったように、植物系の高タンパク食品がブームなようです。大豆ミートは私も何回か食べましたが、これなら大豆と知らなければ肉と思うだろうな、という味でした。

うちの病院に入っている7ー11やド○ールでも、大豆ミートの商品は扱っています。

そう言えば、7ー11で扱っていた大豆ミートバーガーは、1週間ほどで姿を消しました。人気が出なかったのか、ド○ールで大豆ミートバーガーを売り出したのに忖度したのかは分かりません。

しかし、病院内の7-11ではセブンカフェの取り扱いはないので、7-11とド○ールの間で棲み分けしていることは間違いないでしょうね。

【カルテ】~精神科カルテの書き方~


医学書出版 精神科研修ノート 改訂第2版
ISBN9784787821904

第2章 精神科研修でマスターすべきこと
C 面接・評価方法
4 カルテの書き方

精神科におけるカルテの書き方について解説します。


記載の原則

①専門家で共有できる形式(専門用語、診断分類など)で、
②患者さんの様子をいきいきと思い浮かべられるような表現を用いて、
③治療の経過と計画をわかりやすく
記載しましょう。

例えば…

S)変わりません。
O)抑うつ状態。
A)薬物療法が必要。
P)薬を処方した。

これでは不合格。

S)何も状況は変わりません。辛くてたまりません。何もやる気がおきず、頭が回りません。
O)表情は暗く、涙を浮かべたまま、俯いたままか細い声で話す。「辛くてたまらない」と、抑うつ気分を示唆する発言をはじめ、意欲低下、思考抑制を示唆する内容の発言がみられる。
A)抑うつ状態であり、抗うつ薬の投与により症状改善をはかる。
P)SSRIを処方する。1週間後に効果を判定し、副作用なければ増量する。

って感じなら、どういう状況で、今後どうしていくか、分かりやすくなると思います。
慣れないうちはSubjective(患者さんの発言内容)が多めになると思いますが、それで構いません。


精神科カルテの特殊性

他の科では重視されない、書く必要が無いけれど、精神科においては重要な情報、って結構あります。
代表的なものを。

住所

訪問看護、デイケア、作業所、などなど
精神科においては多職種・機関での連携が必須。
社会復帰支援のため、どの辺にお住まいかは重要な情報です。

家族構成

同じ病気・症状であっても、独居かそうでないか、家族の支援が得られるか、
逆に家族への支援・介護で本人が疲弊していないか、
把握しておきましょう。

病前性格

もともとの性格。ただし本人の解釈と、周りからの解釈がズレている可能性に注意。

嗜好

精神科の場合、どうしても「原因となるストレス」など嫌なこと、悪いことばかりに目が向きがち。
ですが治療において大事なのは、何が本人にとっての心の支えになるか?というポジティブな情報。
無趣味な人でも、何かしら安心できるひととき、過ごし方ってのは有るハズ。


症状、所見の書き方

表出および体験(主観症状)。行動(客観症状)も併記しましょう。

外観

「最近疲れやすく、よく眠れません」

「最近疲れやすく、よく眠れません」

…同じ発現でも、どっちがヤバそうか分かるハズ。
見た目って大事です。身なり、服装など、印象が分かるように記載しましょう。


病識

いわゆる”病気の自覚”。「どうもないけど無理やり連れてこられた」というケースもあると思いますが、
主訴:なし …という記載ではカルテとしては不十分。本当に大丈夫なのかどうかわからない。
患者さんの発言、患者さんを連れてきた人の発言、をきちんと書きましょう。

希死念慮

「自殺」のリスク。絶対に見逃してはいけません。
元気そうに見える人でも、実は必死に絶望感と戦っているのかもしれません。
「死ぬほど辛いときがありましたか?」と尋ねておくべきです。


診療記録として

カルテは「開示請求」されることがあります。裁判において判決を左右する資料となるかもしれません。
「第三者や、患者さん本人が読むかもしれない」、ということを忘れずに。
誤解を招く表現になっていないか?患者さんの不利益になってしまわないか?
常に注意しましょう。


以上。

【精神医学】~強迫性障害の治療~


臨床精神医学第49巻第1号 2020年01月28日 アークメディア
強迫症に対する曝露反応妨害法のアップデート─今日からできる臨床応用─ (国立精神・神経医療研究センター)蟹江 絢子・他

ある程度、前提となる知識が求められる濃い内容だったので、補足しながらまとめ。


厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト 強迫性障害

強迫性障害(OCD:Obessive Compulsive Disorder)

自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまう病気。
「ドアに鍵をかけたかな?」「鍋を火にかけたままかも」と、不安になって家に戻ったという経験は多くの人がしていることでしょう。また、ラッキーナンバーなどの縁起にこだわることもよくあることです。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)の報告では、生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつにあげられています。

意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えである強迫観念や、
ある行為をしないでいられない、強迫行為などの症状をきたす。
自分で「やりすぎ」「無意味」とわかっていてもやめられません。

代表的な強迫観念と強迫行為
汚れ・感染を恐れて洗いまくる「不潔恐怖と洗浄」
誰かに危害を加えたかもしれない…という「加害恐怖」
戸締まり、ガス栓などへの「確認行為」
決められた手順でないと気が済まない「儀式行為」
不幸・幸運な「数字へのこだわり」
常に同じでないと気が済まない「物の配置、対称性などへのこだわり」

治療法
再発予防効果が高い「曝露反応妨害法(ERP:Exposure & Rresponse Prevention)」が代表的な治療法です。
汚いと思うものをさわって手を洗わないで我慢する、留守宅が心配でも鍵をかけて外出し、施錠を確認するために戻らないで我慢する、などです。こうした課題を続けていくと、強い不安が弱くなっていき、やがて強迫行為をしなくても大丈夫になっていきます。
薬による治療
抑うつ、強い不安感に対し、抗うつ薬のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を使用。うつ病よりも高用量で、長期間の服薬が必要です。


新しいタイプのERP(暴露反応妨害法)

ここから論文の内容。
といっても斬新なやり方、というわけではなく”他の治療法と組み合わせ”が主な内容でした。

①制止学習理論に基づくERP

「制止学習理論」でGoogle検索したら日本認知・行動療法学会 第43回大会での発表スライドがヒットしました。(…これ一般公開して良いやつなんだろうか?良く分からんのでリンクは避けます。各自ググって下さい。)
難解な理論っぽいけど、要するに「暴露すると、どうなると思う?何が恐い?」と前置きすることで学習効果を高める方法みたいです。
(この理論は私も知らなかった。今後、勉強してまいります。ひとまず今回は紹介まで。)

②第三世代CBT + ERP


第三世代の認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)を組み合わせる。代表的にはマインドフルネスなど。

モチラボ マインドフルネスとは何か?
ただ暴露反応妨害で「手を洗うな!確認するな!」を強いられるのは結構きつい。自分を客観視する訓練も一緒にすすめることで、治療抵抗・拒否・中断を防ぎ、有効性向上をはかる。

③家族を巻き込んだERP

強迫性障害では、患者本人だけでなく家族も巻き込まれているケースが少なくない。(「手洗い用の消毒液10本買ってきて!」「戸締りし忘れたかもしれないから今すぐ見てきて!」ってな感じで。)振り回されている家族も疲弊しがち。
家族も一緒に治療に参加することで家族のストレスも減り、結果的に治療も成功しやすい。

④薬物療法 + ERP

抗うつ薬(SSRI)を併用するだけでなく、DCS:D-cycloserine(NMDA 受容体部分作動薬)などの”認知増強薬”が有効ではないか?という研究が進んでいるとのこと。(調べたけど日本では売ってないっぽい…今後に期待。)

⑤テクノロジー応用ERP

「そもそも強迫性障害治療の専門家が見つからん!」「病院に行くのがハードル高い!」という人に。
治療用のスマホアプリがあるそうです。(Mayo Clinic Anxiety Coachというアプリが紹介されていました。ただし英語のみ。日本語版は未だ出てません。)


まとめ

強迫性障害は頻度の高い疾患ですが、重症になると治療に難渋することが少なくありません。「気にしない、こだわらない」ように自分を変えるのは相当難しいもの…ですが、不可能ではありません。治せます。まずは「変わることができる!」と自分を信じることから。
治療にあたる若手精神科医のみなさん、自信をもって「この病気は治せます!」と言える日が来るよう、最新の知見を学び、修行を積んでいきましょう!
…私もまだまだ修行中。がんばるぞ!(・ω・)

以上。