医局日記

【医局員各位】精神保健指定医の新規申請者へ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/seishinhokenshiteii.html


厚生労働省のweb、精神保健指定医のページが4月7日に更新されました。

”新規申請におけるケースレポートのチェックシート”

という項目が新たに追加されています。

今年度、新規申請予定の医員の皆様においては必ずチェックしておきましょう。


精神神経科専門医制度と比較すると、精神保健指定医の申請は結構厳しい印象があります。

専門医は”医学的な専門性”を問われるものですが、

指定医は”法律的な専門性”を問われるものなので、

いかなる記載漏れ、ミスも許されない、という事なのでしょう。


各自治体によって、申請締め切り日が異なりますので要注意。

早めに保健所に直接問い合わせ、確認しておくべし。



以上。

抄読会中止。感染予防あるのみ。

毎週月曜日は当科医局での抄読会(英語論文を読んで発表するヤツ)の日なのですが、

新型肺炎の感染予防策として、当面は中止の方針となりました。


現時点で当院精神科は、面会禁止を除けば概ね通常の診療体制を維持できています。

ただ、隣県(福岡)との往来もあり、いつ佐賀県も感染が蔓延してもおかしくはありません。

日々、緊迫した状況が増しつつあります。予断を許さない。


私も休日は外出を控え、家で過ごす時間が増えています。

まあ、もともとインドア派なので普段と大して変わらない気もしますが。



こんな時にこそ明るい話題、テーマを見つけていきたい。

ちなみに自宅で引きこもってゲームするなら誰にも負けない自信があるが、

それはそれで平時に戻った際に批判を浴びることになりそうな気がする。

語るのはまたの機会に。


以上。

天文学ニュース。

https://www.nasa.gov/press-release/earth-size-habitable-zone-planet-found-hidden-in-early-nasa-kepler-data


Kepler-1649c、300光年ほど離れた場所に地球型惑星を新発見。

久々にESI(Earth Similarity Index)が高そうな惑星だ。


…けど、「埋もれてたデータから発見」ってのが何とも言えない胡散臭さ。

まあ科学の世界ではよくある事でしょうけど。

これが定説となるか、仮説止まりになるかは、今後の研究次第。


宇宙は広い。以上。

睡眠について

”不眠”は精神科の現場において診ない日は無い、とても多い症状である。

我々自身も、「なんだか眠れない…」と苦しい思いをしたことが一度や二度は有るハズ。

神経質な人には有りがちだが、「眠らなければ」と思えば思うほど、眠り辛くなってしまうもの。


ちなみに私はイメージトレーニングが大好きなので、これを活かして入眠してます。

すなわち”朝起きた時、眠くて布団から出たくない”ときの心境を思い返し、脳内で再現。

これ極めたらいつでも好きな時に眠れるようになった。



以上。

教授より。「研究の勧め」

先日、門司教授より「ぜひ読んでね!」と渡された論文についてのご紹介。


九州神経精神医学 別冊 第62巻第1号 平成28年4月

精神科専門医を目指す人への助言 -若い精神科いに対する研究の勧め-

門司 晃


当科教授である門司先生の若き医師時代から、現在に至るまでのエピソードが書かれております。あまり堅苦しくない文体で読みやすく、我々若手の後輩に伝えたい、という教授の思いが伝わる文章でした。

教授は、もともと工学系の大学を出た後に医学部へ入った転身組であり、当初は研究・学位にさほど熱意は無かったそうです。先輩に誘われる等のふとした契機に研究の世界に足を踏み入れ、今に至るとのエピソードでした。

熱血派の大学病院医師だと「医師は研究で業績を残すのも義務だ!」と言わんばかりに後輩を厳しく指導しがちなケースも少なくありません。

「必須ではないけれど、研究の経験はきっと臨床にも役に立つよ!」というかたちで勧めてくださる門司教授は、まだ臨床の現場しか知らない若手医師たちの気持ちを良くわかっているなぁ、と嬉しい気持ちになりました。



私は未だ統計学に未熟なため一人前の研究者には程遠いのですが、先輩の手伝いで患者さんのデータ集めをした経験はあります。地味な作業ではあるけれど不思議と、結構楽しかった。他の研究においても、やっぱりこうした地道なものなのだろうか。でも、それらが積み重なり、現代医学を発展させて行くんですよね。

自分もその一員になりたいぞ。道は遠いが、頑張っていこう。



以上。

中毒性の高いゲームまとめ

時間を忘れて楽しめる、おまけに知識や教養が身につく、そんな素敵なゲームについて書いていく。

別に紹介とか、おすすめとか、そういう意図ではない。念のため。



MINECRAFT

minecraft

世界的に大ヒットした、モノ作り系アドベンチャー。

開発者はスウェーデン出身のプログラマー、マルクス・アレクセイ・パーション。

個人的に評価が高いポイントは”レッドストーン回路”と呼ばれるギミック。

何とこれ、電子工学系の基礎知識・理解が求められるレベル。

達人プレイヤーの中には、ゲームの中で電卓を作ってしまった強者まで。

その要素を除いても、採掘や建築、農業や畜産、資材の確保や運搬、保管、管理など

楽しみながら想像力、計画性が身につく。



KERBAL SPACE PROGRAM

kerbal space program

宇宙開発シミュレーション。制作はメキシコのベンチャー企業、SQUAD。

デフォルメされた太陽系第三惑星を舞台に、ロケットや航空機を設計し宇宙開発を進めていく。

ざっくり言えば”宇宙版MINECRAFT”。その自由度と奥深さは本格的。

第一宇宙速度、推力、浮力、比推力、TWR、ΔV、近点、遠点、アポジキック、ホーマン遷移軌道、etc…

割と本気で宇宙科学、航空力学の基礎知識が身についてしまう。

(実際に学習教材として取り入れているところもあるらしい)

その分、かなり真面目に勉強する必要にも迫られる。

ちなみに私の場合、ゲームの攻略法を調べるつもりが、

気が付いたらJAXAのホームページで勉強してた。それくらい教養深いゲーム。



CIVILIZATIONシリーズ

civilization

石器時代から宇宙開拓時代までを体験する、文明戦略シミュレーション。

カリスマゲームデザイナー、シド・マイヤーが開発。

次々と新作が出ており、2020年4月時点での最新作は6。ちなみに私は4を購入した。

4作目のオープニングテーマ曲”Baba Yetu”はグラミー賞を受賞した名曲。

科学、宗教、文化、世界遺産、偉人、経済、外交…遊びながら人類史が学べる。

面白い点として、実際の歴史では滅亡してしまった文明も平等に扱われているところ。

マヤ、インカ、アステカ、ズールー、シュメール、とか。

ゲームを極める頃には人文科学基礎レベルの教養が身についていることだろう。

問題点としては、中毒性が高すぎて依存症レベルになる人が続出したこと。

私もこれが原因で学業に多大な支障が出た。(現在は何とか社会復帰できたが)

名作であることは間違いないが、絶対におすすめできないゲームだ。



Farming Simulatorシリーズ

farming simulator

読んで字のごとく。農業シミュレーション。

すみません、実は未だ私はプレイしていない。

ただ、私の先輩が

早く仕事を終えて、農作業に戻らねば!

とか言い放った姿が衝撃的だったので…。

そんなに面白いのだろうか。やってみたいが、まだそこまで時間的余裕が無い。



以上。

在宅勤務は実現なるか

新型肺炎の影響で、今日の医局会議は阿鼻叫喚大盛況でした。


「学生向けの授業を放送するから音声録音しろ?どうすれば良いんだ」

「出来ますよ!windows10をお使いの方は”ボイスレコーダー”のアプリを起動し、録音したファイルをPowerPointのスライドに張り付けt」

「マイク持ってない」

「ノートパソコンなら大抵付いてますから大丈夫です」

「デスクトップなんだけど」

「…」

「スライド一枚一枚、音声録音するの?面倒くさい。一発収録すれば良いではないか」

「windows movie makerを使えば、そうした編集も…って、いつのまにかアプリ非公開になってるぅー」


予備校はじめ、オンライン授業も充実しつつある現代。

取り残されていた我々は、これから大急ぎでテクノロジーの進歩に追いついていく必要に迫られました。

やるしかありませんね。


なお精神科においては、遠隔医療は法律上認められるのか?については未だ一致した見解が出ていない状況です。



※追記

4月8日の日記(http://saga-psychiatry.kir.jp/2020/04/08/1697/)につきまして、

教授から「僕こんな『したまえ』なんて語調使ってないよ!」と指摘されました。

はい済みません、若干誇張してました。捏造しました。もうしません。反省。

その後、”足の裏の米粒”についても言及ある、教授が執筆された論文を頂きました。

教授「これ是非読んでね!」

わかりました!



以上。

プログラミング入門

時代はIT社会。プログラミングが義務教育化される時代となった。

あなたは付いてこれるか?!


というわけで5分で知ったかぶれる、プログラミング入門。


1.目的を持つべし

「英語を勉強したい」だけで勉強する人は居ない。

英語で海外の人々と交流したい、英語の文献を読めるようになりたい、など

その先の目的が、あるハズです。

プログラミングも全く同じだ。

最終的に何をしたいのか?

によって、学ぶべき言語も、習得すべきスキルの順番も変わってくる。


2.トライ&エラーを楽しむ

やってみると分かるが、プログラミングにおいては

難しい関数式を書き込む時間よりも

事前の設計図作りの時間と、

プログラムを実際に起動した後に(必ず)発生するエラーの連発、

その都度に強いられる修復作業(いわゆるデバッグ)時間

これらの方が圧倒的に長い。めっちゃ面倒くさい。

モノ作りだからね。初めから一発で成功するワケがない。

下積み、勉強、実践、失敗、試行錯誤、

それを乗り越えて最後に、思い通りに設計したアプリが動作するわけだ。

ほぼ9割は苦労の時間。この苦労を楽しめる人が上達する。



…いかん、たぶん語りだしたら5分じゃ収まらない。

今日はここまで。


以上。

【抄読会】Facebookからうつ病発症を予測する

本日、医局の抄読会にて、米国プリンストン大学が発表した

“Facebook language predicts depression in medical records”

(和訳:フェイスブックの書き込みで(電子カルテ上の)うつを予測する)

について読み上げました。


精神科領域においても、AI・機械学習分野は今後、大いに活かされることになる予感がします。


…ただ、AIを理解し、使いこなすにはそれなりの技能が必要。

特に必須となるのが、(科学者としては当たり前なのですが)統計学。

その結果が、偶然なのか、必然なのか、証明するには統計学を理解し使いこなす必要がある。


更に言うと、プログラミングを触った経験がある私としては、

数学。

数学が如何に重要な学問であるかを思い知らされました。


数学が分からなくても、見よう見まねでプログラミング出来ない事は無いけれど、

膨大な時間と手間を費やすことになってしまいます。


同じ作業でも、微分積分行列計算に習熟していれば、

短時間・高効率で確実な成果を出すことができる。


数学って大事だ!

勉強しよう。


以上。

新型肺炎と精神科

精神科には関係ないやろ…


と思ったら大間違いだ。既に動き出しているぞ。

https://www.nisseikyo.or.jp/news/jimukyoku/jnews.php?id=20&bm=0


前代未聞の事態である。総員心して業務に励むべし。


以上。