医局日記

【雑誌紹介】~標準的精神科医~


精神科治療学 第36巻02号
《今月の特集:「標準的精神科医」へのすすめ─プロと呼ばれるために私たちは何を習得すればよいか─Ⅰ》
精神科医がプロとして最低限、持つべき知識や技能とは何か! 本特集は、これができるならば、あるいはこの知識を持っているならば、他科の医師と差別化できる精神科のプロであると言える知識や技能を、精神科各分野の専門家が提示。精神科専門医をめざす専攻医に長く役立ち、さらにはベテラン精神科医が知識や技能を見直すために最適。


今回の雑誌はマジでおすすめ。10月9日の日記で紹介した雑誌に似てるテーマだけど、こちらは「一人前になったつもりの精神科医も、今一度わが身を振り返れ!」というレベル。精神科臨床に確実に役立つ知識が、図、表を用いてしっかり纏められています。今回はパートIということで、来月のパートIIも期待。

ポイントを紹介。

・特集にあたって 兼本浩祐先生
(・ω・)「ただマニュアル通りの治療、お薬の処方だけ、じゃプロとは言えませんよ。専門家としての知識を身につけましょう」

・精神科医に必要とされるもの─精神療法マインドと見立ての力を育むために─ 中尾智博先生
(・ω・)「時間がとれず、十分に面接できない先生が多い。けど精神療法の考え方はとっても大事だよ」

・強制治療に踏み込むための標準的知識と技能 山中浩嗣先生
(・ω・)「臨床においては法律通りに上手くいかない場面もありますが…専門家としての義務、責任をしっかり把握しておくべし」

・公的制度を活用するための標準的知識と技能 中山達也先生
(・ω・)「支援、手当、サービス、根拠となる法律、ぜんぶ把握しているかい?ちゃんと表に纏めたから読んでね!」

・標準的精神科医が知っておくべき精神病理学 古茶大樹先生
(・ω・)「社会・人文科学の領域にも踏み込むのが身体科との違いなのだ。しっかり解説…したいがページが足りん」

・標準的精神科医が知っておくべき画像所見 乾好貴先生
(・ω・)「念のためCT、MRIを撮っておこう、よし異常なし…じゃプロとは言えんよ。読影のポイント教えてやるぜ」


こんな感じ。この後にもコンサルテーション・リエゾン分野、児童精神科領域、成人の発達障害、認知症、依存症、睡眠、などが続きます。各分野の偉い先生方が、マニアックで難解ではなく、初心者向けの教科書的なレベルに留まらない、まさに「専門家として求められる水準」の知識、ポイントを分かりやすく纏めて書かれています。

以上。