医局日記

【勉強会】~漢方薬について~

今日は超忙しかった(・ω・;)、すんません簡潔な記載で勘弁していただく。


漢方薬について

(`^ω^)「漢方薬、名前がややこしい!」
(´=ω=)「名前が長い!覚えられるかー!」

【名前の由来】

https://www.kampo-sodan.com/column/column-3395

漢方ライフ おもしろ生薬・漢方薬~名前の由来と効能を考えよう~

ちゃんと名前の由来・法則性があります!


・構成しているメインの生薬
桂枝湯(けいしとう)、葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)など。

・構成している生薬の名前を連ねたもの
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
=茯苓、桂皮、白朮、甘草から1文字

・漢方理論からの効能効果を表したもの
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)…(お腹)を補い、気を益す
清暑益気湯(せいしょえっきとう)…暑さを清め、気を益す

・構成している生薬の数を表したもの
四物湯(しもつとう)…当帰、芍薬、川芎、地黄の4種類
五苓散(ごれいさん)=猪苓、沢瀉、白朮、茯苓、桂皮の5種類

・東西南北を司る神獣である四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)に由来するもの
例えば、白虎湯(びゃっことう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)など


お薬の添付文書を、よく読むと…

「性状」

って項目があります。これ、西洋薬ではあまり見かけない項目。

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200139D1037_1_16/

ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用) より

「におい 特異なにおい」 (`^ω^)「つまりどういう臭いだ?!」
「味 わずかに甘くて渋い」 (´=ω=)「つまりどういう味だ?!」

上記URL開いてみると分かりますが、本当にそう書いてあるんです。
丁寧だとは思いますが、実際手に取らないと絶対分からないような気も…


「作用機序」

漢方薬は、「なんだかよく分からんけど東洋の神秘じゃ」みたいに思われているかもしれませんが、それは誤解。
例えば上記紹介した、抑肝散という薬についてですが、

「グルタミン酸、セロトニン2A、1A、などに作用する」「ドパミンには作用しない」

などの科学的事実が研究の結果として判明しています。
効いているのは気のせいではありません、怪しげな魔術によるものでもありません。科学的な作用です。
精神科の薬のなかには「ドパミンに作用することで症状をコントロールする」作用のものがありますが、これは本来のドパミンの流れを変えてしまうことによる副作用のリスクが生じます。抑肝散は、そうした副作用を避けつつ、苛立ち、不眠などの症状を緩和できるので結構すごいお薬です。(ちなみに某製薬会社の売り上げトップ3位だそうな)


https://www.tsurukawadai.jp/column/20181015

Tsurukawadai Women’s Clinic 最低限これだけは覚えておきたい!漢方薬の副作用


「注意事項」

他のよくある誤解として、「自然由来の成分だから体にやさしい、安全!」というものがあります。
確かに西洋薬ほど目立ちはしませんが、実際には副作用が存在します
(漢方を専攻していない医師、まだ若手の研修医の先生方は要勉強!)

具体的な例として、
”甘草(カンゾウ)”という生薬を含む薬剤は、偽アルドステロン症という病気や、血圧上昇などの副作用が報告されています。
”桂枝茯苓丸”(ケイシブクリョウガン)など、血流改善作用を持つ漢方薬の場合、妊婦さんが使うと早産・流産のリスクが高まるとの報告があります。



【まとめ】

漢方薬は、しっかりと「効果」がありますし、それ故に「副作用」も存在します。

ちゃんとした科学的作用をもつ、ちゃんとした「薬」なのです。誤解のないように!

扱いに習熟した上で処方できるよう、日々勉強を重ねていきましょう!



以上。