【精神医学】~精神の発達② 思春期から老年期~
3月5日の続き…の前に
そういえば6月12日の日記で一度取り上げたことがあった。ぶっちゃけ上記サイトの方が遥かに纏まっており、上図のキーワードを覚えておくだけでも試験対策はバッチリ。
というわけで残りはサクッと手短に解説していく。
青年期(13~20歳)
思春期を迎え、性的感情が発達する。親子の信頼関係より、同世代の友人との交流が主となっていく時期。
「同一性」の時期…青年が自我同一性を確立し、自分の人生の目標を求め、自分らしい人生の達成に向かっていく時期。
両価的な状態(ambivalence)…親から独立し反発することが増える一方、潜在的には依存心もある。
猶予期間(モラトリアム)…まだ学生であり、成年期に移行するまでの、社会に出る前の段階。
この時期は非常に不安定。自我同一性の確立や、友人との交流、親からの自立といった発達に躓くと、「非行」「不登校」「引きこもり」「自殺」などの問題に発展することがある。
成人(成年)期(20~40歳)
大人として成熟が完了し、人格は安定。社会の一員として自立し、結婚、育児なども経験する。青年期には理想主義であった人も、やがて思考・行動は現実主義的となってくる。
初老期(40歳~)・老年期(65歳~)
女性の場合は閉経を経験する時期。身体機能が衰えてきて、徐々に生活への影響が出始める。記憶力など一部の知能は低下傾向となるが、言語理解などは低下しにくい。
現役から退くことになっていくが、周囲からの期待される役割が少なくなるため疎外感に直面する場合がある。自分の限界がみえてくるため生きがいの低下をきたし、近親者や知人との死別を経験していくことでの喪失感も生じやすい。加齢とともに認知症を発症しやすくなってくる。老年期うつ病を発症すると自殺リスクが高まるため、注意が必要である。
まとめ
成長し、大人となって自立していく上で「役割」「生きがい」が大事になります。そんなの簡単に見つかるなら苦労しねぇよ!…と思うかもしれませんが、一人で抱え込んでいると見つけにくくなるのが当然。精神科医療においては、患者さんにとってより良い「居場所」「生活環境」が何かを考え、整えることも大事な治療のひとつです。まずはご相談を。
以上。