医局日記

【雑記】~おすすめ漫画~

12月26日の日記で紹介した医学雑誌で「精神疾患を描いた漫画」をテーマとした論文がありました。

が、今回は全く関係ない。完全に私の好みでのチョイス。

※判断基準
iBooksで1巻無料公開だったので読んでみたら、そこそこ面白かった作品など。
精神科医の立場として、興味深いと感じたポイントがある。
(ただし後半に行くほど医学関係なくなっていきます。)



リエゾン ―こどものこころ診療所― 講談社 (2020/6/23) ヨンチャン(著) / 竹村優作 (原著)

精神科系医療漫画の中でも、児童精神科領域を扱った作品。それなりにリアリティあり、絵が綺麗で読みやすい。



能面女子の花子さん 講談社 織田涼(著)

見ての通り、ゆるふわ系青春女子漫画。表情が読めないのに伝わる不思議。主人公である花子さんの鋼メンタルが凄い。



女医レイカ(Amazon) リイド社 剣名舞(著)、嶺岸信明(著)

1994年出版の作品であり、現代の感覚で読むと明らかにヤバい描写が多々あるのだが、精神科医を主人公に描いた作品として貴重。ちょっとエロい。



カバチタレ! 講談社 著:東風孝広 原作:田島隆 監:青木雄二

初版は1999年だが現在も連載中。行政書士を描いた作品。法律のもとに弱い人々を助ける、という仕事が、なんとなく精神科医に求められる倫理観に通じるところがある気がした。



サイコろまんちか 講談社 著:小出もと貴

心理学と学園コメディを組み合わせた作品。読むだけで賢くなれる。ただし下ネタが多めである。



はたらく細胞シリーズ 講談社 著:清水茜

白血球や赤血球などを擬人化して描いた作品。ストーリー性を持たせながら描かれるので楽しみながら免疫学が身につく。(うちの研究室、免疫学重視なので、一応。)



宇宙兄弟 講談社 小山宙哉(著)

心身の健康、コンディションを維持する最強の職業、それが宇宙飛行士だ。主人公達の鋼メンタルは勿論、宇宙開発を支える様々な人々の群像劇が熱い。



星の王子さま

集英社 著:漫☆画太郎 原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
あの名作を、高名な漫画家が独自のタッチで描いた意欲作。グロテスク・バイオレンス描写が極めて多い。「原作に忠実なストーリー展開」と好評だが、私は原作を読んだことがないため何とも言えない。



CITY 講談社 著:あらゐ けいいち

「日常」を描いた作品だが、とらえどころが無い。平凡かと思いきや騒動も多く、そもそも誰が主人公なのかよくわからない。そもそも面白いのかどうか、それも分からない。たぶん、それも含めて日常ってことなんだと思う。



魁!!男塾シリーズ 出版社:集英社、日本文芸社  著:宮下あきら

精神医学的には大変危険な思想・言動の描写が多いのだが、読むだけで元気が出てくる不思議。悩みとかストレスとか、どうでも良くなってくるほどのパワーを貰える、魅力あふれる作品。殺伐としている割に生還率が高く、精神衛生上も良い。読後感スッキリ。


反省

医者が漫画を読もうとすると「医学的リアリティがあるか」が気になってしまいがちなんですが、精神科医の場合は「登場人物の心理描写は妥当か」「コミュニケーションに不自然さは無いか」などの点が気になってしまう。
…が、そんな事気にするからつまらない人生になってしまうのだ。
リアリティが無くっても理不尽な描写であっても楽しむことが出来る、柔軟な心を養った方が良いのだ。と、最近ようやく気付いた。

以上。