医局日記

【就労支援】~就労移行、A型・B型作業所について~

障害者総合支援法第5条13 より

「就労移行支援」とは、就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

…働くことは生活基盤を整えるためにも大事な要素。就労支援についての基本的な知識を紹介します。



障害者の就労支援対策の状況
障害者の就労支援について
(pdf) 平成27年7月14日


よくわかる!就労移行支援
就労継続支援A型とは?仕事内容と給料、利用までの流れを徹底解説!
2018/03/26
就労継続支援B型とは?作業内容や工賃の額、対象者、利用手続きなどを解説します 2018/03/26

この表が一番シンプルに纏まっていてわかりやすい。これに合わせて解説。


就労移行支援

障がいのある方で、一般就労を目標とする場合の支援サービス。
イメージとしては学校みたいな感じ。


就労継続支援 A型(A型作業所)

障がいのある方で、一般企業での就労が困難な場合の支援サービス。
一般就労と同じで雇用契約を結び、お給料を貰えます。(最低賃金額は保証されているとのこと)
勤務時間は短時間(4~8時間)で、月収としては上の表のとおり、だいたい6~7万円くらい。


就労継続支援 B型(B型作業所)

障がいのある、一般企業での就労が困難で、障害基礎年金1級を受給している方や、就労移行支援において必要と認められた方などが対象となる支援サービス。
A型とは異なり、体調に合わせて自分のペースで働けます。
お給料は「工賃」として支払われ、最低賃金は下回ることが多いとのこと。月収だと1.5万円ほど。


利用時の注意点

こうした就労移行支援、就労継続支援は、行政の指導のもとに行われてはいるものの、事業主は民間企業。きちんとしている所は良いのですが…上手く収益をあげることが出来ず、働いている障がい者の方にとって過剰な負担となってしまうケースもあるようです。利用している方は「自分がもっと頑張らなきゃ…」と背負い込み過ぎず、家族や支援者への相談はこまめにお願いします。
担当している主治医の先生方においては、疲れ果てている患者さんを見て「病状が悪化したのかな?」と安易に判断せず、そもそも患者さんにとって適切な環境なのか、よく確認しましょう。

(雇用主さん側としても「スキルが高い利用者さんは直ぐ一般就労へと羽ばたいていってしまうので、嬉しいような寂しいような…」という事情があるのかも。)

職場環境って大事です。全ての人が、自分に合った仕事に就けるとは限りませんが…できる範囲での仕事探し、できる範囲での職場環境の調整・工夫をやっていきましょう。そのためにも、一人で抱え込み判断せず、みんなに相談しましょう。


以上。