医局日記

【教養】~神社参拝のマナー~

初詣など神社参拝する人も多い時期。教養として復習しておこう。


※参考資料

神社本庁 参拝方法

縁結びパワースポットと出雲神話(正しい参拝の方法)


鳥居のくぐり方


鳥居は神社の玄関にあたります。鳥居の中央を避け左右どちらか少しずれて立ちます。心を落ち着かせ静かに一礼しましょう。鳥居から本殿へ続く道、参道は神様の通るところなので、ここでも左右どちらか少しずれて端寄りを通り、手水舎へ向かいます。


手水


最初は右手で柄杓(ひしゃく)を取る。水を汲み上げ、左手にかけて洗います。柄杓を左手に持ち替え、水を汲み上げ右手を洗います。
再び柄杓を右手に持ちかえて、左手のひらに水を受けて溜めます。口をすすぎます。柄杓に直接口をつけないようにしましょう。静かにすすぎ終わって、水をもう一度左手に流します。


お賽銭


現在のようにお賽銭箱に金銭を供えることが一般的となったのは、そう古いことではありません。もともと、御神前には海や山の幸、特に米を白紙で巻いて包み「おひねり」としてお供えしました。お賽銭箱にお金を投げ入れるところをよく見かけますが、自らの真心の表現としてのお供えなので、箱に投げ入れる際には丁重な動作を心掛けたいものです。
原則、お賽銭を投げ入れるのは神様に対して大変失礼な行為になるのでやめましょう。賽銭箱になるべく手を近づけて静かにそっと滑らすように入れます


二拝二拍手一拝

参拝作法は、永い間の変遷を経て現在、「二拝二拍手一拝」の作法がその基本形となっています。


まず、神前に進み姿勢をただします。
背中を平らにし、腰を90度に折り、拝をします。この時の拝は2回行います。
胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらします。(これは、両手の節を合わせると「不幸せ」になると云われるところからきています。)
肩幅程度に両手を開き、2回打ちます。指先を揃えてお祈りします。最後に両手を降ろし、もう1回拝をします。


神社での参拝方法を巫女さんが実践! やり方をチェック(YouTube)


その他、補足知識

お神札、お守り

お神札とお守りはどちらも神さまのお力を戴くものですが、お神札は自分の家の神棚でお祀りして家をお守り戴くもの、お守りは常に身に付けて神さまのご加護を戴くものです。一年間お祀りしたお神札は年末に神社に納め、お焚き上げをしてもらいましょう。そして新しいお神札を受けます。お守りも同様ですが、願いが叶うまで身につけても差しつかえありません。お神札やお守りをたくさんもっていると心配してしまうのが、神さま同士がケンカしてしまうのでは、ということ。でも、大丈夫です。八百万神という言葉があるように、日本には多くの神さまがいらっしゃいます。神さまは、それぞれの御神徳をもって、協力して私たちを守ってくださるのです。

おみくじ

そもそも占いとは、物事の始めにあたって、まず御神慮を仰ぎ、これに基づいて懸命に事を遂行しようとする、ある種の信仰の表れともいえます。単に吉凶判断を目的として引くのではなく、その内容を今後の生活指針としていくことが何より大切なことといえます。また神社境内の木の枝に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても問題はなく、引いた「おみくじ」を充分に読み返し、自分自身の行動に照らし合わせてみたいものです。


~神道とは~

神道への誘い(神社本庁)

神道は、日本人の暮らしの中から生まれた信仰といえます。自然の力は、人間に恵みを与える一方、猛威もふるいます。人々は、そんな自然現象に神々の働きを感知しました。そして、清浄な山や岩、木や滝などの自然物を神宿るものとしてまつりました。やがて、まつりの場所には建物が建てられ、神社が誕生したのです。日本列島の各地で発生した神々への信仰は、大和朝廷による国土統一にともない、形を整えてゆきました。そして、6世紀に仏教が伝来した際、この日本固有の信仰は、仏教に対して神道という言葉で表わされるようになりました。

神道のもつ理念には、古代から培われてきた日本人の叡智や価値観が生きています。それは、鎮守の森に代表される自然を守り、自然と人間とがともに生きてゆくこと、祭りを通じて地域社会の和を保ち、一体感を高めてゆくこと、子孫の繁栄を願い、家庭から地域、さらには皇室をいただく日本という国の限りない発展を祈ることなどです。このような理念が、神々への信仰と一体となって神道が形づくられています。


氏神様
氏神さまは、私たちが住んでいる地域を守っている、最も身近な神様です。氏神さまは、鎮守さま、産土さまともいいます。氏神さまに対して、その地域に住んでいる人すべてを氏子といいます。氏神のもともとの意味は、氏族、つまり血縁で結ばれた一族の守り神でした。たとえば、源氏の氏神は八幡さまというようにです。それは、氏族が一定の地域に集団で暮らし、神々をまつっていた古代社会の名残です。それが、時代が下るにつれて、地域の守り神へと変遷してきたのです。

神明様(神明神社・神明社・神明宮)
一般にいう神明さまは、伊勢の神宮でまつられている天照大御神(アマテラスオオカミ)を各地におまつりする神社です。大神宮・伊勢神社・天祖神社などがあります。

稲荷様(稲荷神社・稲荷)
お稲荷さまは主に宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)をおまつりする神社です。もともとは農業の神様でしたが、今は広く商業・産業を守護する神さまとされています。

八幡様(八幡神社・八幡宮)
八幡さまは、応神天皇(第十五代天皇)・神功皇后をはじめとする神さまたちをおまつりする神社です。京都府の石清水八幡宮では源義家が元服をし、「八幡太郎」と称するなど源氏の篤い崇敬を受けました。源頼朝により鎌倉幕府が開かれてからは、鶴岡八幡宮への信仰が高まり、武家の守護神として各地にお祭りされるようになったのです。

天神様(天神社・天満宮)
天神さまは、菅原道真公をおまつりする神社です。道真公は平安時代の学者で、右大臣まで務めましたが、遠く大宰府(現在の福岡県太宰府市)に左遷され、59歳のときに亡くなりました。やがてその墓所が整えられ、現在の太宰府天満宮となったのです。道真公は英知に秀でていたことから、学問の神さまとして信仰を集めています。

住吉様(住吉神社・住吉社)
住吉さまは、伊邪那岐命が禊をおこなった際に生まれた底筒之男命(そこつつのおのみこと)・中筒之男命(なかつつのおのみこと)・表筒之男命(うわつつのおのみこと)をおまつりする神社です。海上安全守護の神さまとして、海にまつわる漁業・水にまつわる農耕の神さまとして、また和歌の神さまとしても広く信仰されています。

諏訪様(諏訪神社)
お諏訪さまは、建御名方神(たけみなかたのかみ)をおまつりする神社で、お妃である八坂刀売神(やさかとめのかみ)もおまつりされる場合もあります。建御名方神は、天孫降臨に先立ち国譲りの交渉にやってきた建御雷神(たけみかづちのかみ)との力競べに負けて敗走し、信濃国の諏訪湖に追いつめられ降参しました。その諏訪の地にまつられたのが諏訪大社です。風雨の神、鍛冶の神、農耕・狩猟・開拓の守護神といった幅広い御神格を有し、後世、諏訪神社は信濃国のみならず各地に奉祀され、庶民からも篤く信仰されるようになったのです。


まとめ

神社参拝時のマナー、基礎知識について紹介しました。だが言わずとも、マナーの本質は「相手に対する敬意」である。神様に失礼のないよう身を清め、畏怖の念を持ちながら自身の気持ちを偽りなく伝える。それが肝要であります。そして現在は新型コロナ流行中のため、感染拡大を防ぐことが第一です。無病息災を願おうとして感染してしまっては本末転倒。きちんとやるべきことを優先しましょう。



佐賀県内の初詣情報
2021年は、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、混雑を避けるために、三が日の前後に参拝する「分散参拝」を呼びかけております。縁起物の事前販売を行っている所もございますので、各神社へご確認ください。マスクの着用、手指の消毒、行列の間隔を空けるなどの対策を実施しながら、気持ちよく新年を迎えましょう。


以上。