【精神医学】~抗うつ薬まとめ~
本当にわかる精神科の薬はじめの一歩 が主な参考文献。
抗うつ薬の作用
早速、分類と作用機序について簡潔にまとめていこう
…と思ったけど、ぶっちゃけ下記サイトの解説が一番分かりやすい。
マンガで分かる心療内科・精神科in池袋 第20回「抗うつ薬って、どうして効くの?~SSRI」
かなり責めた解説ですが、医学的には正しいので。
ちなみに臨床ではSSRI、SNRI以外の種類もあるので一応まとめる。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
上記漫画で解説済みなのでパス。
SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
上記漫画の解説に追加すると…
うつ病が発症するしくみ
Leonard, B. E. et al.: Differential Effects of Antidepressants, 1999, pp.81-90, Martin Dunitz Ltd, London, 改変
監修:CNS薬理研究所 主幹 石郷岡純先生
脳内伝達物質が不足すると、それぞれ上記のような症状が出ると言われています。
ノルアドレナリン不足による、うつ症状(意欲低下、興味の消失など)が目立つ場合などに、こちらの薬を選択します。
疼痛(を原因としたうつ症状)に対して、SSRIよりも有効。(慢性疼痛治療ガイドラインにも載ってます)
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・選択的セロトニン作動性抗うつ薬)
「再取り込み」なんて回りくどか!直接分泌量を増やせばよか!という人向け。
ただ、SSRIおよびSNRIとは下記の点で異なる。長所にも短所にもなり得る。
・眠くなる(不眠が改善する)(日中に眠気をきたす)
・食欲が増える(拒食が治り体重が戻る)(過食になり体重が増え過ぎる)
三環系抗うつ薬
ちょっと古い薬。
作用機序としてはセロトニン、ノルアドレナリンだけでなく、ドパミンも含めて再取り込みを阻害する。
効き目は強力!…ただし口渇・便秘などの副作用も強く、過量では致死的不整脈をきたすことがある。
安全性の観点から、最近ではあまり使われない。
四環系抗うつ薬
三環系よりも副作用は少なく、効果発現が早い。
眠気をきたす。(睡眠薬の代わりとして使える、せん妄予防に有効、との報告あり。ただし保険適応外)
てんかん閾値を低下させる(てんかん発作が起こりやすくなる)副作用あり注意。
悪い薬じゃないと思うんですが、SSRIとかSNRIが大人気過ぎて影が薄い。
その他
アモキサピン、スルピリド、トラゾドン、など。
セロトニン受容体、ドパミン受容体をブロックしたりする。
SSRI、SNRIと作用機序が異なるため、最初に選択されることは少ない。
症状に応じて時に活躍する、って感じ。学生さんは覚えなくても大丈夫です。
以上。