医局日記

【数学ネタ】その3【肥前セミナー】~統計学~

タイトルが忙しい。申し訳ない。

肥前精神医療センターにて開催されたセミナーを受講してきましたので、ご報告。


https://www.inf.shizuoka.ac.jp/labs/behavior_detail.html?UC=araki

静岡大学 情報学部 行動情報学科 荒木由布子 教授

による御講演です。テーマはズバリ、医学研究における「統計学」。



内容の詳細については、後日改めて解説させていただく。

かなり高度な内容でした。

参加者の99%は( 〇)゜゜ って感じの顔になっていました。

唯一、U野先生(臨床研究部長)が専門的な質疑応答を繰り広げておりました。

(ちなみに医者でありながら数学者、という超人ドクターです)



私に理解できた範囲で完結に纏めますと、


・これまでの研究では、「データを多く、変数を少なく」が主流であったが、
最近では「大量のデータ、大量の変数を扱う」になりつつある。

例えば「タバコを吸っている人が病気になるリスク」を研究する場合、
”タバコを吸う人”と”吸わない人”を、できるだけ多くかき集めて、比較分析する

…が常套手段だったわけです。

しかし実際には、「性別」「年齢」「職業」「食生活」etc…
関係があるかもしれない”要素”ってのは、数えきれないほどあるわけです。

そうした大量のデータから、本当に”因果関係”がある要素を見抜く。
それが最新の統計学が扱う、真髄となっているようです。
(具体的な手段、計算式については、直ぐ理解できるものではないので後日に。)



とりあえず小話として、

人工知能分野で人気のある”ディープラーニング”については、こうした研究には基本的に不向きとのことです。
ディープラーニングは、”理由はよく分からないけど答えはこうだ!”という、人間の持つ”感覚、あいまいな思考”を再現するのに特化したものなので、ブラックボックス化してしまい易いようです。「病気の原因はコレ?」「この治療は有効?」という、ピンポイントな解析ができない。強引な例えとしては、「30歳台、職業〇〇、喫煙有無、身長〇〇、体重〇〇…ピーガガガ、解析シマシタ。将来の病気発症リスクは●●%!」という予言はできても、じゃあ何に気を付けたら病気を予防できるの?と質問しても「ワカリマセン」という。


Y院長「我々臨床医は、データを”集める”側なものですから、こうした”解析”について良く知ることで、より良い研究モデルを構築できるでしょう」

その通りだと思います!


20200713_hizen

セミナー終了後、花束贈呈。



私も知識不足なもので、今回記載した内容が正しいという自信は無い。
勉強してまいります!(`・ω・)