医局日記

精神科、心療内科の違い

病院、大学によっては精神科・心療内科が併存(九州大学とか)しているのだが、佐賀大学には心療内科が存在しない。

おそらく私を含め、佐賀出身の医療従事者の多くは、両者の違いがイマイチ良く分からないのではなかろうか。

というわけで両者の違いを確認してみる。



https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_01_02choice.html

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト



精科、経科、精神神経科、心療内科、神経内科の違いは?

看板に書かれている診療科目名がばらばらなのは、「精神科」と書かれていると受診するのに抵抗を感じる方が多いためです。最近は、上記以外にも「メンタルヘルス科」などが使われていることもあります。



「精神科」、「神経科」、「精神神経科」は同じものです。
どれかが書いてある場合や、併記してある場合は、「うつ病」「統合失調症」「神経症性障害」などのこころの病気を診ている、精神科の医療機関と考えて間違いありません。

【私見】
要するに「ストレスで心がやばい」状態を主に扱う科、と考えていただければ。


「心療内科」は心理的な要因で身体の症状(胃潰瘍、気管支ぜんそくなど)が現れる、いわゆる「心身症」を主な対象としています。
しかし、「心療内科」と看板に書いてあっても、実際にはこころの病気を診ている医療機関がたくさんあります。ただし、こころの病気を全て診るわけではなく、軽い「うつ病」や「神経症性障害」など一部のこころの病気しか診ないところもあります。

【私見】
「ストレスで体がやばい」状態を主に扱う科、のようです。佐賀大学の場合は、精神科および総合診療内科の両科でカバーしており、お互いに連携を取っています。


「神経内科」は、パーキンソン病や脳梗塞、手足の麻痺や震えなど、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科です。
精神的な病気を主に診ているわけではありません。しかし「神経内科」と看板に書いてあっても、実際にはこころの病気を含めて診ているところがあります。また、「認知症」や「てんかん」は、精神科でも神経内科でも診ています。

【私見】
「脳や神経に明らかな異常」をきたしている病気を扱う科です。佐賀大学の場合は厚労省の解説通り、”認知症”、”てんかん”などの領域において精神科、神経内科の両科でカバーしております。



精神科領域に限った話ではありませんが、様々な診療科、それぞれ完全に独立しているわけではありません。重複して扱われる疾患が存在します。
大切なのは、科に関わらず、しっかり連携を取り、供に患者さんの治療にあたることです。
各々の専門性、得意分野を活かし、時に研究においても協力していくのが医療者というものです。

互いに敬意を払い、手を取り合い、みんな仲良く頑張っていきましょう!(・ω・)


以上。