宇宙旅行時代は実現するか その2
クイズです。
青は地球。赤は火星。2つの惑星が太陽を反時計回りに回っている。
宇宙旅行時代、あなたは火星への旅行プランを検討している。
最も「お得」な料金プランで行けるのは、地球と火星の位置が
A、B、C、どのタイミングの時でしょう?
正解はC。
解説は後で。
第2問。
いよいよ火星旅行への出発の日がやってきた。
地表から打ちあがったロケットは第一宇宙速度を超え、地球の周回軌道に到達した。
あなたはロケットの船長である。火星に向けてエンジン噴射のタイミングが迫った。
加速すべき方向は、A、B、Cのうち、どれが適切でしょう?
正解はA。
それでは解説。
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/hohmann_orbit.html
JAXA 宇宙情報センター ホーマン軌道
主星(太陽)から遠いほど、周回速度が遅く、周回時間が長い。
よって地球より火星の方が前方に居るタイミングでロケットを加速させる。
(第1問のC)
宇宙旅行において”天体の重力に逆らう方向への加速”は、燃料を浪費してしまう。
極力、”重力を利用”して移動することで燃料を節約する。
よって垂直方向への加速は極力避け、水平方向に加速するのが効率的だ。
(第2問のA)
(余談だが、映画「インターステラー」で地球から土星へ出発する際、「さらば地球よ…」とか何とか主人公が呟きつつ地球に背を向けてエンジン点火していたが、あれは多分嘘。垂直方向への噴射なので効率が悪い。)
ロケットは楕円軌道を描きつつ、火星の軌道とクロスするタイミングで合流し、到着。
これが最も燃料を節約できる旅行プランであり、「ホーマン(遷移)軌道」と呼ばれる。
これが火星への”最もお得な”往路プラン。
これ以外のタイミングや軌道プランだと、”もっと短時間で”到着できるかもしれないが、
間違いなく追加料金を請求されるので注意しよう。
復路も同じ理屈で飛行する。
火星の軌道と逆方向に噴射して、太陽の重力に引かれて楕円軌道を描きつつ、地球の軌道へと戻る。
これ以外のプランでは追加料金(以下略
以上、軌道力学のトリビアでした。
(いつ使うんだこんな知識)