医局日記

精神所見の書き方 第1回 性格分類など

精神症候学(第二版) 濱田秀伯 著 弘文堂 より抜粋

精神科ってのは、性格とか体型ですら大真面目な専門用語があるのだ。体型と性格に関連があるのではないか、という過去の研究者達が大真面目に分類したのだ。
「あなたは太っているから躁うつ病ですね!」
なんて失礼な!と思うかもしれないけど、精神科はどんな事にも真面目に取り組み研究する学問なのです。

性格、人格、それぞれの分類法、など若干混在しているので、代表的なものだけpick upして紹介してみる。


循環気質

躁うつ病に近縁の性格。善良、温厚、社交的。現実的で、周囲の環境に順応しやすい。正常範囲を超えると”循環病質”と呼ばれる。


統合失調気質/スキゾサイミア

統合失調症に近縁の性格。内気、非社交的、独自の考えに耽る、固執する。我慢強く原則に拘りやすい。正常範囲を超えると”統合失調質/スキゾイド”と呼ばれる。


粘着気質

重鈍で頑固、寡黙で控え目、固執傾向。確実で安定しているが時に爆発する。固執と興奮が過度なものは”てんかん病質”と呼ばれる。


メランコリー親和型

うつ病に特有。秩序志向が強く、自己の要求水準が高く他人に尽くす。達成できないとますます自分を責める。


ヒポコンドリー基調

森田正馬(神経症の治療法である森田療法の始祖)による定義。内省と完全欲が強く、心身の些細な異変にとらわれやすい性格。注意と感覚が交互に作用し、ますます感覚過敏となる。病的になると、期待と事実が食い違う、”精神相互作用”に陥る。


精神科の教科書を読んでいるうちに、

「あ、自分のことかも」(・ω・;)

…と思う瞬間、精神科あるある。



以上。