医局日記

【抄読会】ADHDと睡眠障害

本日は抄読会の日。松島先生(心理士、医学博士)(しかもイケメン!)

による発表でした。



Prevalence of attention defict hyperactivity disorder symptoms in narcolepsy:a systematic review

Prevalence of attention deficit hyperactivity disorder symptoms in narcolepsy:a systematic review
Sleep Med.2020 Jan;65:84-88

ADHDとナルコレプシーの関連性に関する、システマティックレビューの論文です。


ナルコレプシー…昼間の過度の眠気と”情動脱力発作”を特徴とする睡眠の病気。
ADHD…注意欠陥多動性障害。注意散漫、集中できない、という発達障害に分類されるものですが、大人になってから発覚するケースも最近増えてます。
この両者で共通するのが、”日中の眠気”。よって2つの疾患には何らかの関連があるのでは?と過去にも考えられていました。
(ちなみにADHDの治療薬であるメチルフェニデート、ナルコレプシーの治療薬でもあります。)

「ナルコレプシーと診断された人のうち、どれくらいADHDが居るのか?」に関する世界各国の研究をまとめた、というのがこの論文の主旨でした。

294の論文をpick up。うち160本が英語でなかったり人間を対象としていなかったりで除外。
残り130のうち113がフルテキストじゃなかったので除外
残り17の論文のうち重複研究があったので、12を除外
残った5本を扱いました。
(少なっ)

どの研究でも、「ナルコレプシーと診断された患者さんのうち、ADHDの有病率は30%を超えている」

という結論が共通していました。
結構、信ぴょう性高そうですね。

「なんか昼、やたら眠い…」

そんなあなたは、もしかしたらADHDかも?

【さらに続く、松島先生による講義】

松島先生「この前、ADHDフォーラムin福岡に参加してきたので、ついでに紹介しますね」(`・ω・)b
代表的な教科書を紹介。
Principles and Practice of Sleepp Medicine
この本がオススメです!英語だけど君たち当然読めるよね(`・ω・)b
ここでも睡眠障害と精神疾患の関連について扱われています。

ADHDと睡眠障害の関連について、病態としては未だ分からない点が多いですが…

ノルアドレナリン説。ADHDの人は、睡眠中の分泌が少な過ぎるため、覚醒しにくく、夜尿が多いのかも。
ちなみに少量のアリピプラゾールが有効な例もあるそうです。
睡眠リズムを整えるお薬である、ラメルテオンを夕方の早めの時間に飲むと良い場合も。

などなど。勉強になりました。

(・∀・)