東日本大震災の復興支援
今日はもう1つ日記をアップします。今度は私のことです。
9月10日から13日まで、岩手県の震災復興支援事業に参加してきました。
この日記にも前に2回参加報告がされていて、それ以外にも定期的に当教室から参加しているのですが、今回私も初めて参加させていただきました。
※過去の参加報告はこちら
http://saga-psychiatry.kir.jp/2015/04/17/944/
http://saga-psychiatry.kir.jp/2013/05/01/324/
10日と13日は移動日なので、実質の活動は11・12日の2日間。
まず10日は岩手医科大学内にある岩手県こころのケアセンターに挨拶に行き、そこでオリエンテーションを受けます。
11・12日はこころのケアセンターから、実際の勤務地に派遣されて勤務となります。
岩手医科大精神科名誉教授で、こころのケアセンター長をされている酒井明夫先生と私。
私の勤務先は太平洋岸にある大槌町というところでした。名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、ここは町長を始め、町役場の職員の方が多く亡くなったとのことで、テレビにもよく取り上げられている自治体です。
元の町役場は津波で骨組みだけになってしまったので、これも津波で被害を受け、廃校になった旧大槌小学校の校舎を改装して、町役場としています。
そこの4階に設けられた相談コーナーで、相談に来られた方と面接するのが業務でした。
業務の合間に大槌町の各地を見学させていただき、旧町役場も見ました。
保存するか解体するかで町を二分するような話し合いになりましたが、結局解体されることになり、この10月から解体が始まるそうです。
大槌町の中心部は津波でほぼ全ての建物が流されましたが、現在はこんな感じになっています。ちなみに写真を撮った日は9月11日で、ちょうど震災から7年半でした。
元の高さから2メートルほどかさ上げしてから建物を作るそうです。手前はかさ上げ前、奥はかさ上げ後。
テレビで見た震災直後の惨状からすると、かなり復興は進んだように見えます。しかし実際には工事をしているところも多かったですね。
実質2日間の勤務で、正直役に立てたという実感はないし、「こういう対応でよかったのかな…」と自問自答もしました。
しかし、テレビや写真ではなく、実際に現地に行き、現地の風景を見て、現地の人と話さなければ分からないことがあります。
それを言葉でうまく説明するのは難しいですが、それを少しでも感じられただけでも、貴重な経験になりました。
今回の経験を今後の診療に生かし、そしてぜひ、また大槌町を訪問できればと思っています。