抄読会(担当:溝口)
Ahmari SE, Spellman T, Douglass NL, Kheirbek MA, Simpson HB, Deisseroth K, Gordon JA, Hen R.
Repeated cortico-striatal stimulation generates persistent OCD-like behavior.
Science. 2013 Jun 7;340(6137):1234-9.
強迫性障害の病態に、皮質-線条体-視床-皮質(CSTC)回路の機能不全が関与するとされるが、因果関係はまだ充分に明らかになっていない。今回Ahmariらは、光遺伝学的手法(optogenetics)を用いて、強迫性障害患者で観察されるCSTC回路の過剰な活性化をマウスにおいて再現しようと試みた。マウスの眼窩前頭皮質(Orbitofrontal cortex: OFC)-腹内側線条体(ventromedial striatum : VMS)経路を短時間刺激しても繰り返し行動を惹起しなかったが、数日間に渡る繰り返し刺激はマウスにおける強迫行為のモデルである毛繕い行動を徐々に増加させた。一旦増加した毛繕い行動は、刺激中止後も2週間以上持続した。毛繕い行動の増加は、光刺激による後シナプスVMS細胞の発火と時間的に密に関連した。毛繕い行動および発火頻度の増加について、強迫性障害の治療に有効なフルオキセチン投与によりいずれも抑制された。OFC-VMS経路の短時間でも連続した過活動によって持続した強迫行為が生じる可能性がある。