医局日記

岩手県の震災復興支援事業に参加して

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左より:門司 晃教授・岩手医科大学附属病院 病院長/精神神経科教授 酒井明夫先生・九州大学病院 精神科神経科 助教 小原知之先生

平成25年4月22日から25日までの4日間、岩手県の震災復興支援事業に参加してきました。現地までの移動に前後2日間はとられるために、実際の活動は正味2日間でした。県庁所在地である盛岡市内にある岩手医科大学内に設置された岩手県こころのケアセンターから被災地である三陸海岸地方までは車で片道約2時間以上の行程であり、岩手県の広さを実感するともに、現地支援の大変さを改めて知らされました。
応援医師と看護師・保健師・臨床心理士の方との混成チームで現地に向かいましたが、私の担当は釜石市の北側に位置する大槌町でした。当時のニュースでも報道されましたが、町長以下主だった町職員も含む多数の町民が死亡または行方不明となったところであり、美しい海岸に接して広がっていたはずの街並みが、家の基礎・土台のみを残して文字通りの「さらち」となっている光景には、まさに言葉を失いました。
具体的な支援活動は大槌町庁舎(元の庁舎は被災したために、やはり被災して廃校となった小学校校舎が修復されて使われていました)の4階に設けられた相談コーナーにての面接業務でしたが、その合間に地元の保健師さん(同じく被災されて家を失い、仮設住まいです)に案内されて、仮設住宅、被災した町庁舎や防災センターなどを案内してもらいました。
僅か2日間の活動であり、何かの役に立てたという実感は全くないのですが、「今のこの光景・状況をほかの土地のかたにも是非知ってもらいたい」と保健師さんが話されていたことに代表されるように、この出来事を忘れず、被災者の方の状況に常に思いをはせることが、同時代を生きる日本人としての当然の責務だと考えました。またどのような形でも良いので、現地を再訪したいと考えています。